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第19話 何の香り

お待たせ致しましたー





 *・*・*







 芳しい、とても良い香りがするような気がした。


 ふんわりと、甘くて香ばしい……けれども、包子(パオズ)ではなかった。あの独特な甘ったるいような香りではない。微かだが、香の匂いでもないのだが、どこからするのだろうか。


 気にしてしまうと、どうしても知りたかった。そう思っていると、侍女を無意識に呼んでしまった。



「……およびでしょうか」



 侍女は、この香りに気づいていないのか平素の表情でいた。



「お前は気づいていなくて?」

「……香りでしょうか?」

「そう……この香り」



 少しずつ、ほんの少しずつだが強くなってくるのだ。それが自身の空腹を刺激してきてたまらない。この正体を知りたかった。だから、彼女に頼むことにした。



「承知致しました。すぐに調べて参ります」

「お願いね」



 自分で行くことが出来ればいいのだが、今は自由に動くことが出来ない立場な為に叶わない。代わりに、お願いを出来る存在がいる。九十九(つくも)もいるが、己の分身とも言える存在ゆえか、自分からはあまり離れられないのだと言う。その理由はひとつ思い当たるが、まだ確定ではない。


 だから、夫である皇帝には言えないのだ。



「では、行って参ります。緑玲(りょくれい)()様」

「ええ」



 皇妃候補の最有力候補だと、後宮では囁かれている存在。


 先ほど、皇帝が訪れるほどの寵愛を受けている女性なのだが、当人はまだその自信を持てていなかった。

次回はまた明日〜

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