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蓮宮ユウリの黙示録  作者: ラス
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蓮宮ユウリの8ヶ月(2)

やはり主人公にはなりたくない…みなさんはなりたいと思いますか?

8ヶ月前、私がまだ高校1年生だった10月31日。

その日は家族と旅行する初日だった。

まあ、初日ではなく終日になってしまったんだが…。


旅行先まで車で行く途中だった。旅行先はかなり山奥にある、自然が楽しめると有名な観光スポットだ。だからか、かなり険しい道が続いた。


随分暗くなってきて、私はだんだん眠くなったんだ。


眠らなければ良かったと今では後悔している。


目が覚めると私は地元の病院にいた。


いや、正確には「存在していた」と言った方がいいのか、「生きていてしまった」と言えばいいのか…。


確かに言えることは、私はその時「何も考えることが出来なかった」ということだ。


つまり「地元」ということも「病院」ということも「目が覚めた」ということも、あとから知ったんだ。



なんせ、私は記憶を全て失ってしまったからな。



そこからの日々は大変だったよ、まず言葉を知る、生理現象を知る、理解することを知る、体を動かすことを知る。そんなとこから始まった。


いやいや、赤ん坊かよって、私も8ヶ月前のことを考えるとそう思うよ。

しかし本当に私は8ヶ月前、精神だけが産まれたばかりの赤ん坊になってしまったんだ。


そう、ここで疑問が湧くだろう?

普通、産まれたばかりの赤ん坊が8ヶ月で言葉を話せるようになるのかって。いや絶対ならない。それくらい実質産まれたばかりの私でも分かる。


なら何故私はたった8ヶ月でここまで回復したのだろうか?


それは事故の影響で「ある能力」を手に入れたからだ。

完全記憶力という名の力を。


この力のおかげで私は事故から1ヶ月で日本語、英語、イギリス英語をマスターし、2ヶ月でハーバード大学を主席で卒業できるような頭脳を手に入れた。

しかも病院に何故かスパイがいたらしく、私のこの力を「使える」と判断し、すぐにイギリスまで連れていってくれた。そして事故で家族を失い1人だった私に居場所もできたんだ。


3ヶ月目からは体を上手く使う練習と足のリハビリを行った。死んでないとはいえ、病院に送られたということはどこか負傷していたんだ。それが体の右半分だと分かったのは事故から間もなくだった。右足はかなり重症で切り落とすしか選択はなかった。右手も二度と動かなくなり、そして右目も二度と見えなくなった。右半分を補うために5ヶ月間死ぬ気でリハビリをしたんだ。


全く、神は本当に残酷なことをすると8ヶ月の間何度思ったことか。私からあらゆるものを奪っておきながら、それを全て覚えていさせるようにしたなんて。


事故によって

私以外の家族を全員失い、

右手の神経を失い、

右足を失い、

右目を失い、

記憶を失った。


そんなに「蓮宮ユウリ」は神に恨まれるような人間だったのか?


その疑問も記憶がない私には分かる訳もなく、神に聞くことももちろん出来ないんだが…

次回をお楽しみに!

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