イジメにあいました3
こんにちは。今回は第三話となります。
この話は実際に私が経験した話です。何度も言いますが、嫌な思いをしたらすみません。
でも私のことに、このようなことになってる人を知って欲しいです。
実行委員1日目の活動は、先生から今後どのようなことをするのか聞いて終わった。
「えっとですね・・・次回は実行委員長を・・・決めたいと思います。なりたい人は事前にスピーチの内容を準備しておいてください」
先生は所々紙を見て、話を進める。
実行委員長か・・・。実行委員の中で最も偉い人・・・これから進行する人、だよね。
「ひまりは、なりたいの?実行委員長」
昼休み、Nが聞いてきた。Nは、あだ名ナナミの略だけど。
「え?実行委員長ね・・・。なりたい気持ちはあるけど、自信もない。確率だって少ないじゃん」
「そうだけど。ウチはやりたいと思う!立候補だけでも、してみたいな。確率とか、関係なくね」
私たちは、そういう部類の人間だ。確率じゃなく、なれるかどうかではなく、立候補したもん勝ちだと、思っている。そう思ってるのに、なぜか勇気が湧かない。
「男子たちはどうせ立候補もしないんだから。チャンスだよ、チャンス」
「うん・・・でもなんか、実行委員になった時から、皆に避けられてる気がしてさ」
事実だ。その前からもそうだけど、もっと酷くなった気がする。
1組だけでなく、他のクラスの子からも。噂は広がってるのだろうか。私が、実行委員になったことが。
「えー?気のせいだよ、気のせい」
「ううん。気のせいな筈ない。前からだけど、それがもぉっと酷くなった感じ」
手を広げ、酷くなった仕草をする。でも、ナナミには伝わらない。
「うーん。クラスの皆、そんな酷いことする筈ないよ〜。それにひまりがそうやって意識するから、余計に感じるんでしょ。もう気にしなくていいよ。それに私がなっても皆ちゃんと前と同じ反応だけどなぁ」
「でも・・・無視されると気付くんだよね。あぁ、今無視されたな、とかね」
ちょっと笑ったけど、ちっとも機嫌は直らない。
気づいてしまえば、意識してなくても、意識してしまう。それが人間の体質なんだ。
「________ひまりはさ、学校が全てだとおもってるの?」
「え?」
「そうやっていつも学校のこと考えてるじゃん?ときには違うことにハマってみたら?」
__学校は、必ずいくべき場所だと思っていた。
昼休み終わりのチャイムが鳴る。
「じゃ、考えておいて、実行委員長」
と、言ってナナミは席に戻ってしまった。
次の日の業間休み。今はちょうど、実行委員長決めの時間だ。
ナナミの予想通り、男子は一人も手を挙げなかった。ううん、例外はいたけど、一人ね。
「はい、皆さん多くの人から票を受けてました。まず、一人も0票ということがなく、とても素晴らしいです」
先生は実行委員決めの時と全く同じ台詞をいう。
「何票かは、言いませんが____」
0票がいなかった、て事は、1票の人もいたってこと。
私も立候補したけど、どうせ_____
「Yさんです。おめでとうございます」
パチパチパチ。全員がYさんに拍手する。
ほらね、やっぱり選ばれなかった。ナナミは間違っている。変なところに希望と勇気を抱いても、どうせ確率が低ければ失敗する。
「惜しかったね、ひまり。また挑戦してみて」
惜しかったって、私の票数知らないのに?なんでそんなことを、言えるんだろう。
「別に、希望を持って立候補してないし、選ばれるなんて思ってなかったから」
その日は丸一日、ナナミと話す暇がなかった。
話したかった。でも、妙に皆が私に寄ってくる。今まで無視してきた奴も、全員話しかけてくる。
例えば、去年仲良くなったみっち。あだ名だけど、そんくらいで呼ぶほど仲良かった。
席が後ろになって、話す機会も多くなった。
「いいよね、ひまりちゃんは。実行委員になれるほど信頼されてるんだよ」
「____そんなことないけど。ただ、みっちが__」
みっちが、選ばれる確率低いんじゃない?と言おうとした。でも、やめた。
ナナミはあっていた。選ばれるかどうかは立候補してみないと、わからない。
「ごめん、なんでもない」
数日後、実行委員長になったYさんが、虐められてるという噂が耳に入った。
その噂を聞いた時、
「うわぁ、可哀想。それだけで虐められるんだ」
なんて言ってた。
だけど、途中で、それは自分も一緒なんじゃないか、と言うことに気づいた。
「やばくない?Yさんって4組だよね。終わってんじゃん」
「物捨てたり、わざとぶつかったりされてるらしいよ」
「馬鹿って言われたんだって」
「死ねとかも言われてたらしい」
1組で色んな噂が流れた。
それより、そんなことがあろうとも学校に来ている Yさんがすごい。
今日の実行委員活動で、Yさんは大活躍した。
先生が仕切りを取るより、Yさんが仕切った方が、圧倒的に早い。授業に遅れることなく終わる。
ほんとに、Yさんは虐められてるんだろうか。メンタルが強いだけなのか、とてもそうには見えない。
「ホントに、活躍しすぎでしょ、Y」
実行委員の活動終了後の5分休み、とうとう1組までYさんの悪口を言うようになった。
「馬鹿だよね、実行委員ごときで本気になっちゃって」
「ほんとほんと。虐められて当然のこと」
「先生が可哀想だよ〜」
女子と男子の笑い声が、頭にきた。それに、そのような噂を流したのはナナミだったようだ。
ムカついて、頭の糸が切れて、何もかもが裏切られた感じがした。
悪口を言ってる軍団には、ナナミも、みっちもいる。
「ちょっと!」
ナナミだけを呼び止めた筈だけど、軍団全員がこっちをみた。
ナナミの手を引いて、廊下に出す。
「どう言うこと?Yさんに敵対するつもりなの?」
「ち、違うよひまり。これは___」
言い訳をするナナミの視線が、右上を向くのが見えた。
「今、言おうとした言い訳は嘘よね?どうしてなのよ!」
引き連れた時に繋いだ手を、引き離す。
「Yさんが頑張っているところを見なかったの?質問攻めされてる時だって、順番に話を聞いてくれた。でも、そんな、しょうもない噂を流して、何が楽しいの?!」
虐められている噂を流したのは、ナナミだった。
ナナミがどうしてこんなことをするのか、気になってパニックになった。
「だ、だって見たんだよ、私!Yさんが悲しそうな顔をしてるのを!」
ナナミも、必死で抵抗する。
「徹底的な証拠はあるの?!」
「あるよ!・・・・Yさんに聞けば、わかるし、ひまりも今行ったことを後々後悔するよ!」
ナナミは、それだけを言い残して、教室に入った。
私は、自分の言ったことにとんでもなく反省していた。
反省しても、許されることではないことを分かっている。のに_____
「私はダメな人、私はダメな人、私はダメな人・・・」
「どうしたの?私はダメな人って・・・どう言うこと?」
声をかけてくれたのはみっちだ。
「ごめん、気にしないで」
「この前もそうじゃん」
「この前?」
「前も、『みっちが』って言った後、『ごめんなんでもない』って」
「ごめん___」
机に顔を突っ伏して、自己嫌悪していた。
「何回も謝ってるから、気に食わないんだよね、皆」
みっちの方を向くと、みっちはナナミの方を見ていた。
「______?」
「やっぱり人って、人類って、馬鹿な時もあるし、才能を発揮することもあるよね」
「どう言うこと?」
「人には種類があるじゃん。人それぞれの個性」
「あるけど」
「それが人類皆同じだったら?」
みっちは私の方を向き、ニヤリと笑う。
「つまらない人生送ってる人と、面白い人生送ってる人には、それぞれの人が感じる、『いいこと』があるよ」
みっちが言った言葉は、みっちにとって励ましの言葉なんだ。
お疲れ様です、ごはラメです。本作品は実話となっております。
まだまだ続きますが、続けられるか、分かりません。
続いたらぜひ読み進めてください。
また次話で会いましょう。