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1.死刑囚の転生

はじめまして!


本日は今日で一気に完結する新作をお持ちしました!

今日中に全て投稿するつもりなので、お楽しみに!

 貝塚勝かいづかまさる四二歳、死刑囚。


 イケメンとブサイクの狭間と言われている。

 髪型はオールバック、最近禿げてきているのが悩みだ。

 すでに刑務所には八年間いて、何もないまま人生を貪っていた。


 正味、俺は悪だ。

 俺に隠れて浮気をした妻を殺し、浮気相手も殺した。

 加えて、浮気相手を自殺と見せかけるためにそいつの妻も殺した。

 要は、俺は自分の利益とエゴのために人間を三人も殺したのだ。

 当然有罪、死刑となった。

 だが、全く悔いはなかった。

 なぜならば、全て自分が悪いのだから。


「さぁ、出ろ貝塚。やっとお前の番が来たってわけだ」


 久しぶりに話しかけてきた刑務所長が俺を呼ぶ。

 その声は死神の声と同音。

 まさに、神の宣告ってやつだ。


「そうか。そろそろだと思ってたぜ」


 牢を開けた所長の顔は寂しそうで、これから俺に降りかかることに同情してくれてるような目だ。

 そんな顔せずともいい、俺はヒトの心をかけていい人間ではないからな。


 ひとつ、最後のベッドの柔らかさに触れておこうと寝っ転がる。

 やわらけぇ。

 なんだよ、今日、俺は死刑執行されるんか。


 ◆


 最後の晩餐の料理は、ハンバーグにした。

 母さんの特製ハンバーグのレシピで作ってもらったそれは、美味すぎて泣きそうになった。

 俺は、ハンバーグが何よりも好きだった。

 肉汁が喉に流れ込み、脳がとろけていく感じだった。


 さて、日本酒一杯をくいっと飲み干し、そろそろ審判の時だ。


 アイマスクをつけさせられ、もう俺の目の前には何もない。

 首に巻きつけられた縄を解くことはもうできない。

 人の声が聞こえなくなると、急に叫びたい気持ちでいっぱいになった。

 が、もう俺は声を出して暴れ回るような迷惑なことはしたくない。

 葛藤の末、俺は笑いながら送り出してもらおうと決意した。


「貝塚、何か言い残したいことはあるか?」


 スピーカーで誰かが俺に話しかける。

 あるわけないだろ、早くやってくれ。

 俺は一言も発さず、足元の落とし穴が開くことを願った。


 恥ずかしい、この情けない姿が。

 だから、思い切り死刑を執行してくれ。


 俺は笑い、命の火が燃え尽きるその瞬間を待っていた。


 が、その時だった。



『……貝塚さん。聞こえますでしょうか?』


 なんだと俺はアイマスクをつけたまま天井を見上げる。

 何か、女の声が聞こえた。


(だれだ?)


『私は、この世界の女神です』


(女神様? なんだ、迎えにでもきたのか?)


『うーん、半分正解です。突然ですが、まだ生きていたいと思いますか?』


(ん? 俺を生かしてくれるって話なのか? そりゃ、まだやり残したことはたくさんある。富士山を登ってみたいし、死ぬほど焼肉を食いたい)


『でしたら、転生をしてみるのはいかがでしょうか? 現在、転生先が一件あるのです』


(は? なんてこった! 転生!? もっと話を聞かせろ!)


『はい、転生先は、ある少女です。彼女は、すでにこの世界に絶望し、私に殺して欲しいと願うのです。あまりにも哀れですが、私には彼女を殺してあげる力はない。しかし、今日のあなたは数秒後に命を落とします。そこで、私はあなたと少女の魂をこの瞬間に入れ替えることを提案しました』


(ま、マジか! つまり、俺はそのガキの体に入れば生き延びられるんだな? ガキはなんて言ってる?)


『喜んで貝塚さんの体と入れ替わりたいと言ってます。悪い話ではないでしょう?どうします?』


(転生するに決まってるだろ! 早く俺とガキを入れ替えてくれ!)


 こんな、こんなうまい話は二度とないぞ!

 どこのガキか知らんが、俺はそいつの体に転生することに決めた!

 やったぞ、これでシャバに出られる!


『では、これよりあなたを少女の体に移します。もう、殺人なんて犯してはダメですよ? 次、犯罪を犯した場合、確定で地獄行きですからね?』


(わかってるって女神様! 俺は、これから更生して一人前になってやっからよ! だから、そのガキにあばよって伝えといてくれ!)


『わかりました! それでは貝塚さん、お元気で!』


 女神様は元気そうに俺にそう話すと、突然あたりがキラキラと輝くような錯覚に陥り、俺は目をギュッと瞑った!

 うお、なんかだんだん体が軽くなっていく!

 すげぇ、これが転生っ!






『自殺少女の死刑』



読んでいただきありがとうございました!


女の子に転生する主人公。


これからこれはどうなるのでしょうか。

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