赤い靴
ただ踊りたかっただけとは言わない
赤い靴がお気に入り過ぎたからとも言わない
この靴なら、どこまででも無知のまま居られると思ったの
踊ってる様に見えたのは
子供の無邪気さと大人の醜さを踏まない様にするため
どこまでも、この狭間でいたかった
子供を抜け出したのに大人になりきれない
白い部屋に閉じ籠ったままで
どこまでも、この狭間で痛かった
もどかしさと毎日戦って
一日中愛を囁かないと生きていけないから
ずっと脆いままでいたかった
貴方が居ないと生きていけないままで
ずっと脆いままで痛かった
貴方の前で壊れてしまうのが嫌だったから
他人のことを可哀想って言えなくなったんだ
どれだけ悩んでもどれだけ何かを思ってもその人次第だって
前みたいに気安く共感出来なくなった
一人でも孤独でも
自分がきっと強気になり過ぎたんだ
負けたくなかったから
一人でも必死に喰らいついて
よぼよぼのおばぁちゃんになるまで生きたいとか思ったから
こんな16年ぽっちで死ねるかよって思ったから
まだ叶えてない、狂おしい程に愛おしい夢が待ってるから
強くなりたいと思ってた
強くなったらぼろぼろ感情が溢れてった
強く無いと書けないものがある
脆く無いと書けないものがある
私は何が変わったかな
私は何が書ける様になったのかな
私は何が書けなくなったのかな
私は掴みかけた愛を
掴み書けた愛を
失わないまま進めるかな
ずっと白い部屋にいたから
感情の色は今もよく分からないけど
でも確かに触れたと思ってたんだ
淡い虹の麓を
幻だったのかな
部屋の中に虹なんて
掛かる訳も無いわ
雨に撃たれても良いから
此処から飛び出したい
これ以上脆くなる前に
一度当たって砕けてしまえ
直しながら少しずつで良いから前に進んでいこう
感情の色を知りながら
欠けた私を拾いながら
それでも身体が冷たくなるのを恐れながら
自分の心が色で溢れて
言葉が塗りつぶされない様に
この世界は観賞用
触れたら色が移っちゃう
私の色は、赤のままで
爪先が文字を描くの
赤い、赤い文字を
何も知らない、脆くて甘くて残酷な
私のお話を