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太陽が消えた世界で  作者: Iris
13/13

12:太陽の行方

母が病気だと聞かされて戸惑った。

徐々に体中の筋肉が衰えて動けなくなり最後に心臓が止まると。


残された時間は3年から5年、最後の1年はベットから起きることもできない。


今まで通りできる限り生活を続けるそれが母と私で話し合った結果だった。

それから夜二人で話す時間が増えた。


トウコ「本当はこれから大人になったあなたといろいろなことを一緒にしたかったの」

ハルカ「え?たとえば・・・」

トウコ「一緒に映画をみたり本を読んだ感想を話したり、同じ目線で話ができるでしょう?」

ハルカ「うん」

トウコ「買い物に行って二人で服を選んでシェアするとか」

ハルカ「そうだね・・・でもまだ時間はあるよ」

トウコ「うん、そうだね」


時間が限られてしまった親子は何をしたらいいのか、そんな毎日だった。


トウコ「そうだ、ケンカとかしてないね」

ハルカ「・・・ケンカする理由がないよ」

トウコ「そうか・・・親子喧嘩の原因って・・・なんだろね?」

ハルカ「・・・考えたことなかったな・・・」


母は残したい作品があるからと、作家の活動も続けた。

この人の中にはいったい何があるのだろうといつも不思議だった。

創造することが好きだといってた。


トウコ「思いついたことを自分の外に出して形にするの、そうしないとね、頭の中でそれが膨らんで大変なことになる」

ハルカ「どうなるの」

トウコ「ははは、そうなる前に全部だしているからね・・・多分、頭がおかしくなると思う」

ハルカ「ふぅ~ん」

トウコ「あなたも、何か思いついたら形にしてみるといい、美術部で絵を描くのも同じだよ」

ハルカ「うん、そうだね」


この人はたぶんタイムリミットがあってもなくても同じように生きていくのだろうと思う。

私に対して残されて時間を有効に使おうとしてくれているのが伝わってきた。


一度、何かの時に言われたことがあった。


あなたに期待を押し付けて頑張れなんてことはしないから自分がやりたいようにしてみなさい。

もしも間違っていたらそれを正しい方向に導くのが親の仕事だから。


私の中で理想的な大人だった、私も親になるならこんな親になりたいと思った。

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