10:太陽と月の距離
中学生と小学生の距離は遠かった。
テニスサークルには一緒に行けるけれど別々の時間が増えた。
部活で帰ってくるのが遅くなり、勉強と宿題で時間を持っていかれてしまって・・・
1年だけがまんすればいいのだろう、と思っていたがその一年は長かった。
七夕まつりに一緒に出掛けたかったが、友達と金曜、部活の子と土曜、一緒に行けたのは日曜だけ。
土曜はチアキと4人だったらしいけれど、この感情は嫉妬でしかないのは解っていた。
今までよりも本を読む時間が増えた。
小説とマンガ、恋愛ものを読んで気持ちが膨らんでしまい、後悔する。
それでも誕生日とクリスマスは一緒に祝う習慣はそのままで安心していれた。
それはバレンタインの事故だった。
いつものように家にお邪魔していて、部活から帰ってきたカヅキ
カヅキ「・・・姉さん、ちょっといいかな?」
チアキ「ん?」
カヅキ「これなんだけど・・・ミサキさんから・・・」
チアキ「へぇ?なに告白されたの?どうしたらいいか相談したいってこと?」
カヅキ「・・・言いにくいんだけど」
ハルカ「だめだよ、そんなの!」
カヅキ「・・・え?」
チアキ「・・・そっか」
母親二人は静かに見守っている。
自分で耳まで赤くなっているのがわかった。
ハルカ「・・・いやぁ・・・その・・・」
・・・これを公開処刑というのだろうか・・・
カヅキ「そうか・・・ありがとう」
ハルカ「・・・」
カヅキ「・・・勘違いなんだけどね、これ姉さんあて」
チアキ「・・・は、やっぱり、そうか・・・」
ハルカ「え?何?どういうこと?」
チアキ「あぁ、そのミサキって同じクラスで苗字も同じだから席が前後で成績も2人でいいから、まあ、それなりになかが、いいのね。」
ハルカ「友チョコ?」
チアキ「ではないんだよね、彼女。対象が女性なんだわ・・・」
ハルカ「・・・?」
チアキ「気にしなくていいよ」
カヅキ「まあ、渡しておくよ」
チアキ「うん、ありがとう・・・あんた達、付き合ったら?」
カヅキ「・・・」
そっとハルカのほうを向く
ハルカ「・・・」
顔を真っ赤にして見つめ返す。
カヅキ「どうしようか・・・ハルカが中学生になったら・・・かな」
ハルカ「・・・うん」
母は微笑んでくれていた気がする。
中学生になるのが待ち遠しかった・・・わたしは浮かれていたが。
中学に上がる少し前から母が体調を崩すことが増えた。




