Mission3:出逢い-2
「…………すまない」
彼の体が遠のき、私は思わずその場にへたりこんだ。
向こうでは、必死で頭を振っている男の姿。
「………申し遅れた。私が、Night Mare代表取締役の、東堂レイだ」
ないとめあ…?代表取締役?………社長??
「一言で言うと、闇社会の組織だ。こっちの世界では、『黒』と呼ばれている」
………闇社会!?
そんな危なげな組織のトップと、同じ部屋にいるなんて………
一気に顔から血の気が引いた。
「わ、私は消されるんでしょーか……」
「映画の見すぎだ。そう簡単にカタギの人間に手は出さない」
カタギ……て、私?
「まぁ、お前はもうカタギじゃないが」
頭で理解する前に否定されたが、なんとなく一気に心臓が体の奥まで沈み込んだように感じた。
「私……人を刺した、んですけど………」
忘れちゃいけない。
私は、恋人を殺したんだ………。
「お前は何か勘違いをしているようだが、高菅蓮司は自分で死んだ」
「嘘!だって私が……」
「お前が出ていったあと、自分で刺した。傷が2ヶ所にあった」
そんな……なんで…………?
力無くただ涙を流す私に近寄るでもなく、淡々と語り続ける。
「密輸の件で挙げられたが、書類送検で終わった」
「れんじ……」
「お前は、今カタギに戻れば殺人未遂で逮捕される。……高菅蓮司を追ってた奴らにも、すでに顔と名前は割れてる」
さっきの追われた記憶が頭をよぎり、恐怖で身震いをした。
これから、ずっと殺されるか殺されないかの狭間で生きなきゃいけないの……?
会社に、家族に、何か影響ないの……?
私のせいで誰かが殺されたりなんかしたら………
「ただし、一つだけ免れる方法がある」
そこで一旦言葉を切り、へたりこんだままの私の傍まで歩いてきて、しゃがみこんだ。
「"一度"、死ねばいい」




