Mission2:逃亡-1
雨の中、傘もささずに走っていた。
濡れた髪が顔にへばりついても、全く気にしなかった。
自分の手で、最愛の人を、殺した。
蓮司の笑顔や、楽しくしゃべりながら二人でコーヒーを飲んだ夜。夜景を見ながらキスした、遊園地の観覧車……
愛しい人と楽しく過ごした思い出が、走馬灯のように頭の中を駆け巡る。
「……蓮司…………」
ひたすら走り、やがて力尽きて地面にへたりこんだ。
頭の中は、蓮司のことでいっぱいだ。
やっぱり自首、しようか……。
目の前の交番を、ぼんやりと見つめていた。
ちょうどその時。
《パンッ》
鋭い銃声と共に、右腕に激しい痛みを感じる。
辺りを見回すと、たくさんの男がこちらへ銃口を向けながら走ってきていた。
直感的に危険を感じ、残っていた力を振り絞って走った。
背後で聞こえる銃声は、時折私の頭を真っ白にし、私の足は恐怖で今にも動かなくなりそうだった。
路地裏に入った瞬間、私と奴らの間に誰かが立ちはだかった。
「……?」
「そこに私の車が停まっている。乗れ」
「え?」
「早く。殺されたいのか」
それだけ言うと、銃をかまえて奴らに発砲した。
銃声を聞きながら指さされたほうへ走り、停まっていた車に近寄った。
「すみません!開けて!」
殺されたくなかった。
もしかしたら奴らの仲間なのかもしれないのに、私はなぜかさっきの彼を信じて、ひたすら窓をたたいていた。




