落とし穴でがんばる
叔父さん、半人前ハンターが毒で失敗してるので、別の猟にするようです。
僕はハンター見習い。二年前にハンターの叔父さんに弟子入りして、いろいろ教えてもらってる。
とは言え、もう二年も教わっているので、小さな獲物は一人でも捕ることができるようになった。
「ねえ、叔父さん」
「なんだ、坊主」
「羽が売れる鳥が少なくなってきました」
「移動したかもしれんな。今日は罠仕掛けにいくか」
「毒は?」
「今日は毒なし」
「えーー」
「毒好きだな。罠に使うから柴刈りにいくぞ。それと鍬も持って来い」
「こないだ村に来た、吟遊詩人が歌ってたな、『おじいさんは山へ芝刈りに』。ボクは川へ洗濯に行こうかな?」
「やかましい、おじいさん扱いするな! とっとと行くぞ」
裏山でマチェットでざくざく柴を刈って、まとめて縛って。またざくざく刈って。
柴を山盛り担いで川の方へ向かう。
「さて、罠はここだ」
「川に近い獣道だから獲物がよく通りそうだね、どんな罠作るの?」
「いや、罠はもうあるんだ、しばらく使ってないから、手入れがいるかもしれないが」
「へ?どこに?」
「そこに×の傷がある木があるだろ、その横の獣道を拳一つぶんぐらい鍬で掘ってくれ」
んしょ、んしょ。あれ?土のけたら獣道の下に木の板があるぞ。
「おー、それだそれだ、板が全部見えるように土をのけてくれ」
「わかったよ、ところで叔父さんは何してるの?」
「んー、あれだ。周辺監視とか坊主への指導ってやつだな」
「手伝ってよー」
「身体鍛える機会だぞ、がんばれ」
ぜいぜいぜい、板が全部見えるようになった。
でかいな、大人が手を伸ばしたぐらいの長さで、肩幅ぐらいの幅、厚さは拳一つぐらい
「よし、それの板を動かして道の横に重ねるぞ。こっち持つからな、重いから気をつけろよ」
ひー、重い。あれ?大きな穴があるぞ。
「これは前に使ってた落とし穴だ。 んー、状態いいな、そのまま使おうか。 持ってきた柴を並べて蓋をしたら土をかぶせるんだ」
んしょんしょ、ばきばき、ざくざく。地味にしんどい。
「ぜぇぜぇ、叔父さん、こんな感じでいいかな?」
「上出来だ。それじゃ、他の場所に罠仕掛けにいくぞ。他はくくり罠だからしんどくないぞ」
「しばらく休んでていい?」
「あー、まぁ頑張ったからいいか。俺は仕掛けに行くから休んどけ」
「休んでる間に、獲物落ちたらどうしよ?」
「いやいや、そんな簡単に獲物採れんぞ。 だいたい夜か早朝に落ちてるみたいだし。 そうだな、鹿ぐらいなら吹き矢の毒で弱らせておけばいい。 持ってきてるんだろ?」
「もっと大きな獲物は?」
「逃げるか、隠れるかだな。 穴に落ちても俺が帰ってくるまで、無理しなくていい。じゃあ行ってくる」
まあ落とし穴掘ってすぐに獲物かかるほど簡単じゃないか、川辺に行って昼寝しよ。
ふー、疲れた。 と、寝転がった瞬間。
バキバキバキバキ!!
……、叔父さん、獲物来ないって言ってたのに。
おかしい、何故か続きものになってしまった。




