プロローグ&妹
初めての投稿です!ラブコメです!
間違いや読みずらいところが多々あると思いますが、
温かい目で見守っていただけるとうれしいです!
「・・・ま..」
「・・かずま..」
誰かが俺を呼ぶ声がする。
応えたくても口も体も全く動かなかった。
その声はとても懐かしくて、心地よくて、愛おしく感じる。
きっと夢だと思う。だけどこの夢がこのまま続けばいいのにと思った。
あぁ、そうか俺は・・・
「・・・お兄ちゃん起きて!朝だよ!」
「..うー、もう少しだけ」
「もー、先に学校いっちゃうからね!」
「わかったわかった、今から準備す・・って、え?」
朝のど定番のようなものをしてからあることに気が付く。
「さ、さな?なんでここにいるんだ?」
「え?なんでって家だからだけど? もーまた寝ぼけてー」
「あーそうだよな、ごめんごめん。って、ん?」
俺、真城一馬には
可愛くて、面倒見がよくて、勉強も運動もできて、そりゃあそりゃあ可愛く・・・コホン、2歳年下の妹がいた。
名前は真城咲菜といって、名前の通り笑ったときは花が咲くかのように可愛・・
「お兄ちゃん、なんか変なこと考えてない?」
と、咲菜にジトッと睨まれてしまったので、俺はスーパー妹タイムをやめて冷静に考えてみることにする。
「いや、だからなんで俺と咲菜が一緒にいるんだ? 俺は一人暮らしで咲菜は実家暮らしのはずだから・・」
そういってから辺りを見渡してみる。そして俺はやっと気づいた。
「あれここって実家じゃねーか! どうして俺がここにいんだ? 今日から大学2年生のはずだよな?」
軽くパニックになっていると、咲菜が
「お兄ちゃん本当に大丈夫?」
と割と本気で心配そうに聞いてきたので
「あぁ、大丈夫だ。」
とほぼ反射的に答えてしまった。兄としては情けないところは見せらない。
この状況はどう考えてもあれしかない。
「あーそっか、まだ夢みてんだな。おやすみー」
意識はっきりしているが、それ以外の言葉では説明できないのだ。
まず咲菜があんなに優しいはずがない!
この間、実家に帰ったときにはしゃべってくれるもののどこかよそよそしいというか
昔みたいに仲良くしてくれなかった。
だからこんな夢みるんだな。
昔はちょうどこんな感じで朝起こしにきてくれて一緒に高校に行ったよなー。
スーパー妹タイムしちゃうのも仕方ないよね!
なんてことを考えていたら
ピトッ
と俺のおでこに手が添えられた。少し冷たいが、確かな温かさを伝えてくるような小さな手が。
「うーん、全然熱とかはないみたいだよ?とりあえず顔でも洗ってきたら?」
と咲菜が言ってきた。
俺は驚いて咲菜の顔を見つめてしまった。
咲菜がいきなりそんなことしてきたからというのももちろんあるが、
夢ではありえないような感触に驚いた。
そしてあることに気が付いた。
「あれ?咲菜、ちょっと幼くなった?」
髪は肩くらいまでの少し茶色がかった感じで、
前髪の分け目あたりに髪止めなどつけているのはいつも通りだが
顔立ちというか雰囲気が少し幼い感じがしたのだ。
「ふーん?お兄ちゃん、それは私に喧嘩を売っているのかな?」
と咲菜がとてもにっこり顔で怖いことを言ってくるので
「い、いやいやとんでもないです!ちょっと幼くてなってもめっちゃ可愛いなって言いたかっただけです!」
と俺が弁解すると
「~~! お、お兄ちゃんのばか! もう先に学校いくから!」
バタンッ
と勢いよく咲菜はドアを閉めてドカドカ行ってしまった。
怒らせるようなこと言ってしまったのだろうか?
幼いと言ってしまったのが悪かったのだろうか。
そうゆうお年頃なんだろうか、と考えてから
「あーでもこれ夢か。考えても仕方ないなー」
と独り言をいってから顔を洗いにいくことにした。
ここまで来たら夢に付き合ってやるかーと思い始めていた。
久しぶりだが使い勝手知りたる実家の洗面所まで向かった。
そして鏡を見た。
その瞬間、目を疑った。
鏡の中にいる自分が俺の知ってる俺ではなかったのだ。
茶色のはずの髪は真っ黒で、長さも知ってるより少し短くて、顔もすこし幼い。
でも全くの別人というわけではなかった。
これじゃまるで・・
「いったい何がどうなってんだ?」
そういってから、思い返す。
そういえば「幼い」ってさっき咲菜にも言ったよな。
なんで幼かったんだ?俺も幼い感じがするし・・。
思い付く可能性は一つくらいしかない。
だけどそう簡単には信じられない。
俺は急いでリビングへ向かった。
家族はだれもいなかったが、目的のものは俺の思い出通りの場所にあった。
「えーっと、今月は4月・・」
カレンダーには、上の方にでっかく「4月」と書かれていた。
これは俺の知っている通りだった。俺の記憶では春休みがあけて今日から大学が始まるはずだった。
その「4月」のすこし上にある4ケタの数字を見て、もう一度目を疑った。
「2013・・・? なに言ってんだ? 2015で大学2年生で今年で20歳だろ?・・」
カレンダーが噓なのか? 2015年だけど2013年のカレンダーを使ってるとか?
いや、俺が春休み中に実家に帰ったときにはちゃんと2015年のカレンダーを使っていた。
ということは・・本当に?
いやいや、これ夢だもんな!
試しにほっぺをつねってみた。
普通に痛かった。
夢なら終わってほしかった。
でも起きてからの出来事がこれは夢じゃないぞって伝えていた。
でもさすがに信じられなかった。
ここが2年前の世界だなんて
あぁ、もしかして俺って・・・
「タイムスリップしちゃったのかぁああああああ!?」
無人の家にむなしく木霊した。
次回メインヒロイン登場させます!
妹のこと書くのに夢中になってしまいました!
すいません!でも妹はまだまだ登場させます!