少女との出会い
「とりあえず私はさっきの客を送らなければならないからお前は部屋で休んでいてくれ。」
「分かりました。」
(他にも聞きたいことあったけど後でいいや。)
優斗はそのまま女将を見送る事にした。
(さてと、自分の部屋に戻ろうかな。)
そんな事を考えながら歩いていると
「キャッ!」
人にぶつかった。
優斗は慌てながら
「あぁっ!ごめんなさい!」
と言う。
「あっ、いえ、こちらこそ・・・」
目の前にはクリーム色の髪をした顔に幼さの残っている15~16位の少女が立っている。
「あの・・・」
優斗は首を傾げる。
「何でしょうか?」
「この旅館の従業員さんですよね?道に迷ってしまって・・」
優斗は笑顔で頷く。
「分かりました、どちらへ行かれますか?」
「えっと・・空の間に行きたいです。」
「空の間ならお客様の目の前ですが・・・」
少女の顔がみるみる赤くなっていく。
「・ご・・ごめんなさい!」
少女はササッと空の間に入る。
辺りは静寂に包まれる。
「・・部屋に戻ろうかな。」
優斗は薄暗い廊下を歩きながらそう呟く。
~部屋~
優斗は少し大きめの揺り椅子に寄りかかる。
「今日は色んな事があって疲れたな・・」
揺り椅子の心地いい揺れに身を任せながら目を閉じる。
そのまま優斗は眠りにつくのだった。