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無人の村
迷宮から出た慎司の目の前には、村があった、無人の村が。
「これは一体どういうことだ?」
『ふむ、これは一体どういうことなのかわしにも解らん。一先ず、村を見て周ってみたらどうかのう?誰かいるかもしれん。』
「そうだな、一先ず見て周ってみるか。あっ、一応お前を抜いておいたほうがいいのか?」
『ふむ、そうじゃのう、用心に越したことはない。』
慎司は、それを聞くと言霊を唱えた。
「天を殺せ
神を殺せ
世界を殺せ
全てを終わらせし龍王の名を持ちし剣よ、今、その力を解き放て。来い、魔龍剣王バハムート‼︎」
そう、言い放つと慎司の手には、大剣の姿になったバハムートが握られていた。
「改めて見てみると、お前って装飾はほとんど無いのに、素人の俺が見ても綺麗だってわかるよな。」
『ふむ、おだてても何も出んぞ。』
「ちげえよ、ただ、純粋にそう思っただけだ。」
バハムートは、何故か、返事をしなかった。
「さて、さっさと、見てきますかね。」
慎司はそう言って、村の中に入っていった。
しばらく歩いていると、1つの家屋から、物音が聞こえてきた。




