天啓
慎司はしばらく、初めて生き物の命を奪ったことに対して呆然としていた。そんな彼にバハムートが、
『慎司よ、いつまでこんな所で惚けているつもりだ。これからはこんなことが何万回あると思っておるのじゃ。その度にこの様に惚けているつもりか?違うであろう。今すぐにとは言わない、だが、早く慣れよ。その調子ではこの世界では生き残れんよ。』
慎司はバハムートの言葉を聞き、
「すまない。出来るだけ早く慣れることにするよ。あと、この世界について教えてくれ。」
と慎司はバハムートをカードに戻しながら、バハムートに頼んだ。
『ふむ、いいだろう。お主はこれからこの世界で暮らしていくことになるからのう。ある程度の常識は知っておいた方がいいだろう。しかし、わしも最低限の知識しか無い上、それ以上の事は、この迷宮をでた所に村があるから、そこで聞くと言い。
お主がこの世界に来た事は、その村の者は知っておる、と言うか、わしが伝えた。』
「?」
慎司がバハムートの発言を不思議そうに聞いていたのでバハムートが、
『簡単に言えば、天啓みたいな物かの。』
「そんな物なのか?」
『ああ、そんな物だ』
バハムートは何故か、誇らしげに言った。
『ふむ、では、話すとしようかの』




