表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

詩、短歌

金魚と桜/冬のこども

作者:

【金魚と桜】


ひらり 揺れるは紅い扇

やわらかに のびやかに 透明の世界をたゆたう

ひやり 冷えた空間の中に

鮮烈な金魚が 一尾


ひらり 揺れるは淡い杯

あでやかに たおやかに 春色の世界を流れる

ふわり 香る空間の中に

桜の花弁が ひとひら


とぷり 揺れるは冷たい水面

ゆるやかに じんわりと 閉ざされた世界を揺らす


ぷかり 浮かぶは淡い花弁


ぶわり 生温い風が吹き

こまやかに たのしげに 波打つ水面

ゆらり つるり 杯は流れる


ひらり 靡いた扇の先に

水面の杯が 触れた




【冬のこども】


黒く澄んだ丸い瞳に 白く儚いモノが映る

興味深げに伸ばされた ぷくぷくとした柔らかな手に

舞い降りた白いモノが 触れた


白いモノはひやりと冷たく

熱い手に触れたが最後

呆気なく じわりと融けて 消えてしまった


黒い瞳はおどろいたように 幾度もまばたきをくり返し

手に残ったわずかな滴を ただ茫然とみつめていた


静かに凍った 空の下でひとり

舞い踊る雪に 包まれたこどもは

その日はじめて 「さびしい」を知った

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ