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プロローグ
待って!!
そう叫んだときにはもう遅かった。
あらゆる場所の時計という時計が、時を刻むモノが、ぐるぐると破壊し始めていた。
破壊と修復が繰り返され、世界が騒然とする。
発端を引き起こした人間は額然とした。
例えどんなに努力しても、どんな天才が現れようとも。
もう元には戻らない。
いったいどれだけの犠牲を産み、どれだけの生命を翻弄させることになるか。
どんなものをもってしてもおそらくは償えない。
それでもこの事は一人の人間には手に余るものだった。
息をするにも苦痛なほどの重圧。
…運命が変わってしまう、いや、造ってしまったのか
図らずも彼女は、いや、彼女たちは革命を起こしてしまったのだ。
某然としながら世界の崩壊を見ていた。
ねえ。
一人がつぶやいた。
このままにしてはいけない。
このままじゃ終わりにすらならない。
わたしたちが終わらせなければならない。
この狂った旋律を。
散らばろうとしている玉たちを。
まとめなければならない。
きっとそれが贖罪になる。
唸る世界を傷愴して見つめる。
やがて世界は一つに収束した。