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主人公体質  作者: ろくす
3/13

安心してはならない

主人公っぽくないからといって安心してはならない。


恐ろしいことに、属性は変化するのだ。



これまた分かりやすく【厨二病】を例に上げよう。

最初に【厨二病】を選択したとしても、NPCや回りのプレイヤーからの印象がより他の属性っぽいとそちらにチェンジしてしまうのだ。


つまり戦い方は厨二病でも、普段の振る舞いが頼れる兄貴分だといつの間にか属性が【兄貴/姉貴】になる、といったように。

このシステムはタイトル通り、キャラになりきるためにある。

一部プレイヤーからは文句の嵐だが、ロールプレイを好むプレイヤーと女性プレイヤーからは評判がいい。


やたらリアルを詮索する、出逢い厨や直結厨と呼ばれるプレイヤーは直ぐに属性が【女好き/男好き】となるのでトラブルの予防になるのだ。

女性プレイヤーが多いとそれにつられる男性プレイヤーも増える。

迷惑プレイヤーにならないように自制もするのでゲーム全体的にマナーが良い。


問題と言えば、最初に悪印象が強い属性を選んだプレイヤーが孤立しやすいことか。

【俺様】や【皮肉屋】、【変態】、【厨二病】などは直接ステータスに影響が出るため多少は理解があるが、それでも偏見は多いためソロプレイヤーばかりだ。

縛りプレイの一環で、逆にあえて悪印象の強い属性でプレイする者も居るが少数だ。


ここで俺が選択した属性を思い出すと、【変態】である。


魔王軍所属の最初のエリアとなるルシウス高原に居るのは低レベルな初心者ばかり。

そんなところに突如現れた不健康そうなモブ顔。

死霊使いの初期装備の死霊使いのローブは客観的に見て印象最悪である。

そんなやつがいきなり現れたらどうなるだろうか。


「うわっ……」

「へ、変態だー」

「うはwwネタプレイKtkr」

「キモッ」

「……ふ、ふふふふ」


こうなる。

ちなみに最後の笑い声は俺だ。


属性変動システムのせいで、属性維持の為にキャラクターの属性から外れた行動は取りづらい。

変態っぽく見えるように不気味に笑ってみたら他のプレイヤーとの距離が開いた気がした。

魔王軍でも花形である魔族やヴァンパイアのからかいや冷たい目線に耐え、目の前にポップしたモンスターのビーラビットをポカリと殴る。


魔王軍側の初期モンスター、ビーラビットはぶっちゃけただのウサギだ。

初期装備の杖(攻撃+3 魔力+3)でひたすら殴る。

一際虚弱な死霊使いなので、なかなか倒せない。

ポカリ、ポカリと10回程殴ってようやく

ビーラビットは光になった。


ビーラビットのHPは20。

俺のキャラクターのHPは15。

いかに虚弱かお分かりいただけただろうか。


良い。

実に良い。


今までとの違いが歴然である。

こうも後衛職とは貧弱且つ脇役っぽかったならばさっさと後衛職になっていれば良かった。


テンションが上がってきた俺は、更なるモンスターを求めて彷徨く。


不気味な笑い声を上げながらウサギを撲殺することがどれだけ嫌な絵面か、後で気がついた。

でも変態だから、仕方がない。






魔王軍側の最初の街に向かう道すがら、ついに人型モンスターを発見した。

死霊術は人型獣型問わないが、なんとなく最初は人型が良かったためまだ使っていない。

犬のような顔をしたコボルトに向かってポカリと杖を降り下ろした。



ビーラビットよりも若干強めに設定してあるらしく、なかなか倒れる様子を見せないのでダッシュで距離を取り呪術を使う。

最初の技は足違え(あしたがえ)という行動制限系の術らしい。

熟練度も低いので、運が良ければ転ぶ、くらいの確立らしいが構わない。

これから先お世話になりそうな良スキルだ。


「転べ転べ転べ転べ転べ転べ転べ転べ転べ転べ」


このゲームに特定の呪文は無い。

一定の文字数の呪文を自分で決めるのだ。

足違えは30文字以上と短めなので適当に決めた。

呪いっぽくて怖いが、実際に呪いなので気にしない。


うまく掛からなかったようで、躓きながらもこちらに向かってくる。

仕方ないのでまたポカリと殴ると、今までは直ぐに反撃モーションに入っていたのにそうはならず、その場でたたらを踏んだ。

足違えの効果は有るようだ。

反撃が遅いのはかなり有効で、その後は回避を考えずにタコ殴りにして倒した。


レベルアップのファンファーレが鳴る中、黄泉帰りスキルを発動させる。


こちらの呪文は100文字以上とやや長めだ。


「地獄の底からさっさととっとと東京特許許可局許可局長かえるぴょこぴょこみぴょこぴょこあわせてぴょこぴょこ早よ黄泉帰れ早く!ハリーハリーハリー!えっまだ足りないのかよっパルプンテ!天婦羅ラッココアラあ、終わった?」


これは酷い。

ちなみに、一度登録された呪文は固定である。

そのため毎回「あ、終わった?」まで言わなくてはならないのだ。


……計画性が無さすぎるのは良くないな。


こんな適当な呪文でもちゃんと発動したらしい。

黒い光りが足元から漏れたと思ったら、地面に割れ目が出来てそこから腐乱死体が這い出てきた。

うぇ、グロ注意……。

実は最後の呪文は字数数えてないので足りない可能性があるという

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