ニュース(出来事)
またまた今回から小説を書き始めました!
どんどん公開していきたいと思います!
運命の出会い。あたしはしたことない。
でも、偶然と偶然が重なったとき奇跡は起こる。
期待していればなかなか訪れない。
期待してなくても出会いは訪れるもの。
でも、あたしだけは違った。
ほかの人と違う、何かが。
あたしだけは、生きるだけでも精一杯だった。
「では皆さん。今日のHRの授業は生きる、ということについて少し考えてみましょう。」
その時にドワッとした雰囲気になった。一人の生徒のおかげで。
「せんせー。生きるって、もう生きてるんで考えなくてもいいんじゃないですかぁ?」
実は、こっそりとあたしも同感であった。
先生はお構いなしに黙りなさい!と一言言った。また嫌な雰囲気が…。
「ではでは、生きるということはどういうことなのかを考えてみてください。」
やっと考えだしたみんなだった。
このクラスは美川高校、3年2組だ。35人で構成されていて、こういう時には班になって考えるのだ。
まぁ、あたしの班は5人と中途半端な机の並びになっちゃう人数なんだけど、一人出て行ってほしかったのが心の行く末だ。(殴
「ねぇね美紀。なんでこんなことしなきゃなんないのだろね。」
「あ、あたしに聞かないでよ。」
「美紀、あたしはこう思うのよ。生きるってことは、その目的を探すために生きる…なんちゃって…って!何言ってんだろあたしそんなこ・・・」
先を言おうとしたときあたしは止めた。
「はいはい。もうこれ以上言わなくていいからさ。」
結衣は、はーっとため息をついて黙ってしまった。
だが、この沈黙をどうにかしてくれたのは先生だった。
「ではでは、1班から順に発表してもらいましょう。では、一班さんお願いします。」
良かったー。ね・・・・って!あたし1班じゃん!しかも班長だった…スッカリ…。
「はい、では美紀さんから発表してもらいましょうかね。」
「えーっと、あたしは…」
あたしは勇気を振りしぼって言った。
「生きるということ自体ぃ、生きる目的を探すために生きているのだと、思いますぅ」
その時、教室は閑散となった。
シーン。もしかしてあたし…これ言っちゃ悪かった!?
いや、皆あたまがごちゃごちゃになって意味が分からないだけだった。
「は、はい。有難うね。では続いて2班に行きましょうか。」
あわててあたしは座ったのだが、静かな声で結衣にぶつかった。
「な、何言ってんのよ!どうしてくれるのよこの空気!」
「ゴメンなっとうさぎんぎら~。」
調子に乗っていった結衣だったがあっさり滑ってしまった。
結局それから2~6班まで流れるようにしてこの時間が終わった。
「ねえ、ごめんね今日…。」
突然結衣が謝ってきたのに対して、恐ろしく驚いた美紀だった。
「いやいや。あたしが面白かったからいいよ。」
「なんやそれ!」
「いやーでも、あたしだけ受けたよ。ホントに!」
結衣はおかしな表情を浮かべた。
「そう…ならいいんだけど。」
二人はのっそりと夕方の空の中駆け抜けていった。
「お母さん。明日って…」
「そうよ美紀。5年目の定期検診があるのよ。」
実は美紀、6歳のころ小児ガンが発見されたのだ。
早期発見で無事切除できたのだが、再発の可能性は大きい。
なので、総合病院に5年に一回検診に行っているのだ。
「何もなかったらいいんだけどね。」
~6歳のころ~
「では、最後の授業は図工ですね。君たちは動物いるでしょ?好きなね。」
はい!と元気よく答えた。
「それを目の前にある粘土で作ってみてください。時間いっぱい使っていいですよ。」
と、急にビリビリと袋を破る音がしてそれからシーンとした空気が続いた。
「ねえ、あたし何…」
ファッ。急に体が軽くなり…次の瞬間に目の前が真っ暗になった。
「大丈夫!?美紀ちゃん!美紀ちゃん!」
そのまま、総合救急センターに搬送された。
「お母さん。聞いてください。」
「何でしょうか…?」
「今回の症例は随分と多いのです。神経芽細胞種という病気で腎臓の上にある副臓というところから発症します。」
「で!結果は!どうなんですか!」
「無事切除できましたが、再発防止のため5年に一回定期検診に来ていただきたいのですが…。」
「ま、明日は心配しなくていいわよ。きっと大丈夫。」
「まぁ、あたしは心配してないけど…」
「そろそろ寝なさい。もう11時よ。」
「うん。お休みー。」
ご覧いただきありがとうございます。
次回もお楽しみください。




