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第六章 変わらぬ影
エルドが火を置いた。
1人、また1人と食べ物を持ってやってくる。リシェが位置を指示している。
私はただ座っているだけでいい。後ろにいつもと同じ影が伸びている。
まだ誰も食べ物には手を付けない。リシェが水を注いだ器を持って、何かを言った。その器を私のところに持ってきた。差し出されたので、飲む。リシェが器を掲げた。みんなが食べ始めた。
「楽しそうだね」
「全てシャーのお力によるものです」
「…ううん、私は何もしていない」
「ええ。分かっております」
笑い声が聞こえた。
カルが一歩踏み出した。
カルが私の目を見て、歩き出した。
私は彼についていく。誰も抗議はしない。
喧騒が背後に遠ざかる。
いつもの部屋に着く。
いつもどおり、カルは一歩下がろうとした。
「そこにいて」




