冬の賑わいで⑤
「ここ、もう一度見てみようか」
「ここで買った、このロウソクにするの?」
「違うよ……スコットさんたち、困ると思うよ……」
「むう……」
僕たちは手を繋いだまま、童話のような作りの店の前で立ち止まった。さっき、絵本を手に取った雑貨屋さんだ。今度はプレゼントになりそうなものを探したかった。
店の中に入ると、さすがにハルカは手を離した。狭いから仕方ない。
改めてみると、可愛らしいものや、なんだかおしゃれなものが多かった。
ブリキ細工の飾り、可愛らしいカトラリー、クリスマスの色合いの食器など。
「これとかどうかな」
僕が手に取ったのは、ソーサーとセットのティーカップ。朝焼けのような青とオレンジのグラデーションの色合い。それがペアになっていて、スコットさん夫妻にいいと思った。
「……君、オシャレだよね。私はこれが気になってて」
そう言ってハルカが手に取っていたのは、大容量のマグカップ。
大きすぎて、取手を持つハルカの手がより小さく見える。デカすぎないか?
「マグカップはいいと思うよ。だけど少し大きくない?」
「そうかな……逆にカナタのが小さすぎない?すごく高そうでオシャレで良いけど」
「ティーカップはだいたいこんなものだよ……」
ハルカはティーカップをあまり使ったことがないのかもしれない。
それから僕たちはどっちがいいかを話し合った。いつの間にか選択肢はマグカップに絞られていた。この辺りはプレゼントとしてはありきたりだし、異論はなかった。
その時、ハルカが手に取ったマグカップに目が止まった。
夜の海辺のような、暗めのデザインだった。僕の好みだ。
「これ、色が変わるんだって!」
温かい飲み物を注ぐと朝焼けのハワイの海辺みたいなデザインになるらしい。
これなら温かなスコットさん夫妻に合うのではないだろうか。
「なるほど。これ、いいんじゃないか?」
僕が言うと、ハルカも頷いた。
「うん、いいよね。ただ、ちょっと小さいかも」
「小さくない……標準サイズだよ」
大は小を兼ねるを地で行きすぎだろう。
僕たちはそれと似たデザインのマグカップふたつをレジに持っていき、購入した。
クリスマスプレゼント用だと伝えると、店員は白い紙でぐるぐると巻いてテープで止めただけだった。
「ラッピングは自分でしろってことなんだろうな……」
「……丁寧に包んでくれる日本ってすごいんだね」
購入したものを僕が持つと、ハルカは「そう言うの、ポイント高いよ」と笑いながら、また自然と僕の手を掴んできた。
僕もその手を握り返す。さっきよりも恥ずかしさは減った気がした。




