表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/47

プロローグ

――神託によりし者よ、目覚めたまえ……!


エミリは、うっすら目を開けた。

目の前に、角。しかもでかいやつ。

額から立派な角を生やした男が、まじめな顔でこちらを覗き込んでいる。


「……病院じゃないな」

それだけ言って、彼女はもう一度目を閉じた。


「お、おい! 神託の者よ!? 聞こえておるか!? ここは我ら魔族の村タルーア、そなたは我らが大儀のために――!」


「うん、聞こえてる聞こえてる。はいはい、状況理解。言葉は通じてる、それだけでラッキー」


「…………」


魔族たちの空気がぴたりと止まった。

――え? この人、一人でしゃべってない? と、周囲の魔族たちがそわそわとヒソヒソし始める。


エミリはのそのそと上体を起こし、ぐいっと肩をまわす。首のあたりが痛い。

寝違えか? むちうちか? 異世界に召喚されるときの衝撃で首がやられたのだろうから、むちうちの線が濃厚――と彼女は淡々と結論づけた。


「……水、もらえます? あと、できればスポーツドリンク的ななにか」


「ス? スポ……?」


「あー大丈夫、説明する。電解質と糖分がバランスよく入った、体内に吸収されやすい水っぽい飲み物。うん、多分まだこの世界にはない。理解したふりでスルーしてOK」


現れた“神託の者”は、期待に胸をふくらませていた魔族たちを、ものの数秒で置いてきぼりにした。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ