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八話 葬式に参列します

八話 葬式に参列します



 応該の死は、妻である高星才にも伝わり、電話会議をした。喪主は要がする事となり、費用はなぜか研究所が出してくれるという。


「出席するだけで良いと言うんだけど」


「母さんは好きにすれば良い」


「任せて良い?」


「エスパーダも参加させる」


「なんで?」


「翻訳してる」


「認めないって」


「そんなの関係ない」


 そう言うと才はため息をついた。


「父親そっくり。あの人もそうだった」


 要はショックだった。自分はあんなに見苦しくはないはずだ。


「参加はしても良い。けど認めない」


「どうして?」


「子供に恵まれない」


「それはクリアした」


「小人のままだって聞いた」


「誰に?」


「能」


「あいつ」


「どうすんの。学校にだって通わせられないでしょ」


 小人の姿では難しいだろう。好奇の目にさらされるのは明らかだ。でも要の答えは決まっていた。


「なんとかするさ。俺はエスパーダが好きなんだ」


「愛だけじゃどうにもなんないの。あの人もそうだった」


「もういい」


 要は電話を切った。やな感じだ。応該と話しているかのようにどこまでいっても分かり合えない感じ。


「要……」


 エスパーダが心配そうに見ている。


「宿守応該の葬式に行く事になった。エスパーダも来て欲しい」


「う、うん」


「能、お前もだ」


「分かった。服取りに行かないと」


 就もついていくと言うので、またサイズの世話をみんなに頼んだ。快く引き受けてくれたが、表情は複雑だ。敵だった男の葬式なのだ。無理もない。


「焼肉は?」

「どうすんの?」


「終わってからだな。安くて良い肉仕入れてやんよ」


「シールド、肉出す気ない?」


「ない」


「ちぇ」

「マジかよ」


 スミス姉妹はぶーたれる。


「牛は一頭買いだから、食べきれない。高いしな」


 シールドがスミス姉妹に要には聞こえないほど小さい声でさらに何か言っていた。スミス姉妹が驚いているところを見ると、かなりの高額のようだ。


「要さん」

「安い肉大量買いで」


 勝手な事を言ってくれるが、少しありがたかった。今、一人で答えを出せそうにはないから。


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