二話 宿守応該と再会したんです
二話 宿守応該と再会したんです
階段を上り、内部を進んでいく。先頭は兎で、その後に他の連中が続く。
「やっぱり人間の上は早いなぁ」
「行け! 兎号」
兎の肩でいきるスミス姉妹。彼女達の中では今の兎はハトと変わらないのかもしれない。
「調子乗ってると実験体にするわよ」
物騒な反撃にさすがのスミス姉妹も黙った。自由すぎる彼女達にとって、不自由な実験体生活はイヤなのだろう。
その後はサクサクあっさりと進んだ。途中、研究員に会ったが、兎が報告を口にすると誰も止めなかった。むしろ感謝された。宿守応該はと相当気難しい人物にカテゴライズされているようだ。
所長室と書かれたプレートの貼ってあるドアを前に兎は深呼吸してる。そして、ノック。
反応がない。
もう一度ノック。
やはり反応がない。
ドアノブを軽く捻った後、兎は勢い良くドアを開けた。
応接テーブルの上にマダムがいて、椅子に座っている。側にはベッドに寝かされたシールドがいて、酸素マスクをつけている。
「おばさん、おじいちゃん!」
サイズは黄可以の手を借りて、テーブルに降り立った。
応該はサイズより、黄可以に興味を持っていた。
「お前はなぜ起きている?」
その問いに答えたのは兎だった。
「実はですね。イレギュラーが起きまして」
兎はスミス姉妹をポケットに収納したまま、応該に説明していた。そして応該は悔しがった。
「なぜそんな単純な事に気づかなかったのだ。そうすればこんな事にはなっていなかったのに」
そう口にした応該は能達に気付いた。
「能……と誰だ?」
「能さんとお付き合いさせていただいてます二瓶就です」
「そうか」
反応はそれだけだった。前にも言ったはずなのにそれだけだった。
「ママ、おじいちゃんを助けて」
「うん」
黄可以はシールドの身体にキスをした。先程と同じように、シールドの身体が光っていく。
今度は目をやられないように、要は手でガードしながら観察した。
徐々に若返っていき、光を強めていく。我慢しきれなくなり、結局顔をそけてしまい、全部を見る事は出来なかった。が、目をやられなかったのでリカバリーは早かった。
シールドが若返った姿を見る事が出来た。
顔は要が鏡を見た時に見るものに似ていた。