EPISODE2、探求者【トラブル・メーカー】
騒ぎが沈静化した後、ティルシアとデイルは向き合うようにして座り、注文した料理を食そうとしていた。
「…ったく。お前と居ると、本当にろくな目に合わないな」
デイルは肩を落とし、この世の終わりみたいな溜め息を零した。
「ほんなことないほおもふけどな」
そんな事ないと思うけどな。
どの口が言うんだとデイルは気持ちを押し殺す。
ティルシアはむしゃむしゃと料理を口に頬張り、次々に料理を空にし、次々と机に皿を積み上げていく。
本当に良く食べる。
音が聞こえる程に飲み込み、店員に追加注文を済ませ、再び料理を頬張る。
「聞いたぞティー。お前、またやらかしたんだってな」
デイルはフォークでひと切れの肉に突き刺す。
ティルシアの問題行動は今に始まった事じゃない。
それが分かっているからこそ、零す愚痴だ。
パーティーを組んでいた時も、問題に首を突っ込んでは騒ぎになる。
今となっては驚きもしない。
ティルシアは、大皿を持ち上げて口の中に料理を放り込んでいく。
「俺達は別に構わないが、少しは穏便にだな…」
「はふっはふ」
「少しは穏便に…」
「はふっはふ」
ティルシアの手が止まらない。
だが、デイルのこめかみには青筋が。
キレる1歩手前だ。
「だから…穏便にだなぁ…」
「はふっはふ!」
ペキリ。
フォークをへし折った。
「一旦食うのを止めろぉッ!!」
デイルの怒号が響き、ティルシアは耳を傾けながら口に放り込んでいた料理を飲み込む。
「これを見ろ!」
ドンっと机が揺れる程に、新聞記事の切り抜きを叩き付けた。
そこには、新聞の一面を飾っていたであろう一言が記載されていた。
【探究者パーティー遺跡を爆破】
またまた探究者パーティーが遺跡を地の底に。
未発見の遺跡物、鑑定に至らず。
「えー…と」
ティルシアは上の空だ。
「これだけじゃねぇ…」
デイルは更に新聞記事を叩き付ける。
【喧嘩勃発!?冒険者支部半壊!!】
「小競り合いは夕食を取った取ってないの口論から発展。居合わせた冒険者を巻き込む乱闘騒ぎに…って子供かてめぇは!」
デイルは頭を抱える。
「さらに、これも!あれも!!」
デイルはわなわなと体を震わせ、怒りを顕にしていた。
「お前、本当に何してくれちゃってんの?」
「まぁ…事故と言うか何と言うか…」
「更にだ。この間、仕事貰いに冒険者本部行ってきた。俺だって生活があるからな」
「ふむふむ」
デイルは机を更に叩き付ける。
「あー…探究者パーティーの方ですね。申し訳ありません、どうかお引き取りを…だってよッ!?お前があちこちで騒ぎを起こす度…ん?どうした?」
ティルシアが向けていた視線の先に兵士が辺りを見回している。
嫌な予感しかしない。
「居たぞ!探究者だ!!」
「今日という今日は!!」
兵士が物凄い形相でこちらへ向かって来る。
「にっげろー」
ティルシアは笑いながら逃げ出した。
それに続いてデイルも走る。
「お前!今度は何やらかした!!」
「いや〜、遺跡調査でボーンっと」
「ボーンっと?」
ティルシアは走りながら懐から1枚の新聞記事を取り出しデイルへと手渡した。
日付は今日。
ルカル帝国太古の遺跡、復元不可能に。
と大きく書かれている。
「王家の墓、奈落の奥に沈めちゃいました」
「…本当に何してくれちゃってんの?」




