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探求者、世界を救う!?  作者: 真宵 にちよ
第一章、探求者【トラブル・メーカー】
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EPISODE16、わざと?

「先生っ!お待たせしました!」


 追い付いたライが合流する。


「思ったよりも時間掛かっちまったぜ」


 騎士団を一人残らず打ち倒し、ライに追い付いたデイルは、聖魔法を付与してもらい合流する事が出来た。


「助かった。ライ、デイル、力を貸せ。ティーが致命傷を受けた」

「何!?ティーが?」


 デイルは、のたうち回る駆け寄ろうとするが、エスティが制止させた。


「2人は時間を稼いでくれ。私が治療する」

「お、おう!」


 デイルは、のたうち回るティルシアを横目に黒き騎士に立ちはだかる。


「さっきまで闇魔法が有効だったが、今は効果が薄い。黒い枝に直で触れるなよ、致命傷になるぞ」


「分かった…!」

「分かりました!」


 デイルは剣を構えると冷や汗が出る。


 それを見たライが軽く声を掛けた。


「大丈夫です!わたしが援護しますので!」


 笑顔を向けて親指を立てる。


「おう…」


 デイルは気を遣われたと思ったが、冷や汗を垂らした理由は他にある。


(…闇魔法が有効って言ってもよ…。俺、魔力攻撃以外、使えないんだよな)


 そう。


 デイルは、魔力攻撃を極めた剣聖である。


 そのせいか、ティルシアやエスティに魔法を指導してもらったのだが、全て不発に終わっている。


 なるようになれだ。


 ライは空間から弓を取り出す。


 弓は黄金で装飾され、一際大きい。


 矢筒を腰に装着すると、様々な色合いの矢が装填される。

 エスティと共に手に入れた遺跡武器の1つだ。


【遺跡武器、全属性弓《カラー・アロー》】。


 矢筒は使用者の扱える魔法の種類に応じて属性が増え、その属性の魔法矢を魔力がある限り自動で装填してくれる。


「闇の魔法矢《ダーク・アロー》っ!!」


 ライが闇魔法を纏いし矢を放つ。


 黒き騎士は、反応が遅れたのか、放たれた矢を肩に受けると風穴が空く。


 ライが放った矢の威力、速度は申し分ない。


「デイルさん!お願いしますっ!!」

「おう!」


 ライは弓で闇の魔法矢を放ち、デイルは魔力斬撃を浴びせる。


「剣閃ッ!」


 デイルが繰り出した斬撃の数は10回。


 連鎖する斬撃は、黒き騎士を纏う枝を容赦なく斬り裂いていく。


 1本、2本、10本、100本と強固な枝が宙を舞う。


「闇の魔法矢《ダーク・アロー》っ!」


 ライは、枝が剥がれるのを確認しながら、矢を5本まとめて放つ。

 直線的に放たれた矢は全て、黒き騎士を射抜くが直ぐに再生してしまう。


「デイルさん!避けて下さいっ!!」


 ライの叫び声に気付いたデイルは見上げる。


「おわッ!?」


 デイルは回避する。


 見上げた先には斬り裂いて宙を舞った黒い枝。


 それが空中で制止し、勢い良くデイルの立っていた場所へ突き刺さって来た。


 完全に避けていなければ、掠っただけでも致命傷になる。


 デイルとライが足止めをしている中、悶え苦しんでいるティルシアを治療すべく、エスティが駆け寄っていた。

 貫かれた部分からは、黒き騎士の生成する細胞が侵食を始め、黒い血管が浮き出たようになっている。


「避けられないなんて、らしくないな」


 いつものティルシアであれば、食らってしまった攻撃を避けるなんて容易いはずだ。

 エスティは治療するために、手を触れようとするがティルシアはエスティの腕を掴む。


「…だいっ…じょうぶ!」


 ティルシアは、笑顔を作るが汗が吹き出し、血も吐き出している。


 大丈夫とは程遠い。


 ティルシアが目を瞑ると、白い光が体を包み込み、侵食していたはずの細胞が消滅していく。

 貫かれた傷も塞がっていた。


「はぁ…っ。びっくりした」


 ティルシアは体を起こし、汗を拭った。


 すると、エスティが顔を近付ける。


「お前…。またわざとくらったのか?」


 ティルシアは目を逸らす。


 これが、ティルシアの悪い癖のひとつだ。


 気になるからと言って、相手の攻撃をワザと受ける時がある。

 受けた傷を分析し、次に活かす為とはいえ、リスクが大きい。


「受けてみたいっていうのはあったけど、迷っちゃった」

「迷った?」

「うん。あの時、黒き騎士から助けてって、殺してくれって聞こえたんだよね」


 ティルシアの言葉にエスティは首を横に振るが、真剣な眼差しに嘘はない。


 黒き騎士は、苦しんでいる。


「エスティ。わたしはあの騎士を助けられないかやってみる。いい?」

「言っても聞かないのだろう?」


 エスティはフッと笑うとティルシアが笑顔を向ける。


「それで受けてみて、あの黒い枝はなんだった?」


 打開策がなければ助けるにしても、倒す事は出来ない。


 唯一、効いていた闇魔法も効果が薄くなっている。


「うんとね、性質的にあの黒い枝は、聖魔法で形成された物で間違いないと思う」

「だから闇魔法が効くのは分かるが、今は闇魔法でさえ効果が薄いぞ?」

「聞いた事があるんだけど、転換魔術って知ってるよね?」


 転換魔術は、禁断魔術に指定されているもので、ベルドの身体に刻まれている。


「あの黒い騎士の体は、細胞が魔力の正常な流れを阻害してるけど、多分、聖魔法と闇魔法が入り交じっているんだと思う。それに加えて、転換魔術に近い形であらゆる魔法を聖魔法と闇魔法に変換してる」

「つまり、我々の光魔法が放った時、黒い枝が聖魔法を帯びていたから相殺され、今は闇魔法を帯びているから効果が薄くなっていると」

「おそらくね」

「打開策があるんだな?」

「ちょっと未完成だけど試したい魔法がある。時間、稼いでくれる?」

「承知した」


 エスティがデイル達に加わった。


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