表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
猫拾い  作者:
9/21

「お前は休めやァァァァァ!!」

「分かったわよ……」

「ったくよぉ。引っ越しの準備だって「私ぃ、脚が痛いから無理ぃ~」(裏声)とか言ってたクセによぉ!」

「気色悪い言い方しないでくれない?」

「なっ、んだと。テメエ!」

「当たり前の事を言っただけでしょ」

「その当たり前の事がどれ程人を傷つけると思ってんだぁ!!」

「ふっ。シャルと俺二人きり。泣こう叫ぼうが助けは来ないぜ?」

「やれる物ならやってみなさいよ」

「上等だぁ!」

「ふんっ」

「あの、毛玉は直してくれません?」

「嫌」

「うわぁぁ! 意地悪ぅ!」

「晩御飯は?」

「カップラーメン」

「カップラーメン!? 私が熱いの嫌いなのを知ってて!?」

「知ってて」

「伸びきったラーメンを食べろっていうの!?」

「うるせぇな! 寒いの嫌いでコタツ好きのクセしやがって! この我が儘野郎!」

「ワ、ワガ、ママ、ですってぇ?」

「けっ! 所詮猫だろ。餌さえ与えられりゃあ、飼い主以外の人にでもケツ振っちまうような奴なんだろ?」

「だ、誰が! 猫だって生きるのに必死なのよ! それに私は飼い主以外の人にケツ振るような猫じゃないわ!!」

「…………え~と?」

「何よ?」

「あ~。お前はアレか?」

「何よ」

「飼い主にはケツを振るって事か? この場合俺だと思うのでせうが」

「はふっ!?」

「はふっ?」

「何言ってんのよ! わ、私の飼い主は私よ!」

「………………………………………………」

「………………………………………………何よ」

「分かってんだろ?」

「何が!」

「この空気で。今のはスベリにスベリまくったって」

「別に笑いなんか取ろうとしてないもん」

「分かってる。ああ、分かってるさ。笑いなんか取ろうとしてないって事くらい。でもな「私の飼い主は私よ!」って言われたらさぁ」

「アンタがそう捉えるのが悪い!」

「俺に責任転換!?」

「別に私はアンタを飼い主として認めてないって事を言いたかっただけなの!」

「あ~。あの泣き顔は可愛いかったけどなぁ?」

「なっ!? あん時は気、気が動転してただけよ。バカァ!」

「顔真っ赤ぁ! 顔真っ赤ぁ! あははははははははははははははははははは!」

「くあぁ!」

「ひぃ~ひっひっひっひっひっ! バカァ! だってよぉ! い~ひひひひひひひひひひひ」

「ぐ、このぉ」

「ふひっ、ふひっ。クックククク!」

「ぐぬぬぬぬ」

「クックっくぐぅ。はっはははははは!!」

「直樹のバカァァァァァァ!!」

「ぐぼらぁ!?」

「ふんっ!」

「毛、玉……アタックは…………無し、だろ」

「うるさいっ!」

「やべっ鼻血出てきてる」

「分かってると思うけどな。明日は入学式だ」

「私は休まないといけないんでしょ」

「当たり前だろ? 脚と脇腹の怪我まだ治ってねえんだから」

「それでだ。お前寝とけよ?」

「子供扱いしないでよねっ」

「いや、猫扱いな。子供より酷い」

「どこがよ」

「ん~。言っちゃっていいのか?」

「良いわよ? あればだけど」

「俺が風呂行くだけで泣くぐらいの甘えん坊。俺離れ(?)が全く出来てない。子供だってお母さんが風呂入るぐらい出来るしなぁ」

「あの時は気が動転してたって言ってんでしょうがぁぁぁぁぁぁぁ!」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ