第68話 俺の眼が間違っていなければ
週末の朝、競馬場に向かう道すがら、街路樹に目をやるとほとんどが黄色や紅にいろづいている。11月も20日になると気温もぐっと下がり朝の空は太陽は低く澄んだ空気は空を高く感んじさせる。行きかう人々の上着は冬模様になりつつある。
1人ボソッと呟く。
「絶好の行楽日和だなあ……」
そんな行楽日和の週末におっさんと競馬場デートはちょっとげんなりする。
まあ自分も行楽日和にだれかと遊びに行くような相手はいないから、師匠と競馬場に行くぐらいしか用事がないのだけれど。
たぶん師匠もこんな行楽日和に誰かと行くような相手なんていないんだろうな。師匠に家族がいるところなんて想像できんし……
ちなみにコラボ馬券でとった100万は次に会ったときにはもう無くなっていた。いつものことだ。こんな師匠に休みの日に一緒に過ごす相手なんているわけない。
師匠とは東京競馬場で落ち合うようになっていて今日のメインレース東スポ杯?とかいうレースに気になる馬がいるとかなんとか言っていた。
◆◇◆
競馬場に直通の駅におりて周囲を伺う。
いたいた。
いつもの恰好。寝ぐせでボサボサの頭に耳に赤鉛筆をさしてよれよれのジャージ上下、手には新聞でサンダルを履いた昔の競馬場によくいるおっさんスタイルの師匠を見つける。
師匠も俺を見つけて話しかけてくる。
「よう圭一郎! 今日もう勝つぞ!」
「ふと思ったんですけど師匠って週末いつも俺と一緒ですよね?」
「お前と出会わなかったら週末はウインズだ」
やはり師匠は競馬と違って予想を裏切らない。
「ですよね」
「それがどうしたんだ?」
「いえ別に」
「ふーん。まあいいや。今日は東スポ杯だ」
「東スポ杯って東京スポーツ杯2歳ステークスって言うので1800メートルのレースですよね」
「ああ、新馬戦を勝ち上がってきた馬が1800メートルって距離を走ることでここを勝った馬はクラシック候補になる可能性が高い。ちなみに二年前の三冠馬もここの勝ち馬でその時のパフォーマンスが凄かった」
「ここの結果が来年のレースに繋がるってことですね」
「ああそういこと。新馬戦しか走ってない馬が多いから俺たちの力で本当の実力を見抜いてぶち当てようぜ」
「そうですね。当てましょう」
師匠とパドックのところに向かった。
――10レース終了後。
パドックに馬が出てくるのを待ちながら師匠と話す
「今日は微妙ですね」
「ああ。なんかバチコンと当たらんなあ」
今日は会心の的中という感じがなく当たってはいるものの好配当に恵まれないと言った感じだった。
「まあ今日は儲けるというより来年を占うレースを見に来たみたいなもんだから」
師匠はそう言い聞かせているよう見える。
「次メインレースですね。なにか気になる馬でもいるんですか?」
「とりあえず人気3頭の能力を評価して取り捨てをしないとな」
「ですね。1番人気は1番のイムニコックスって馬ですね」
「ああ。新潟デビューの馬で後続を1秒ちぎって楽勝した馬でそのレース3着だった馬がこの間のアルテミスステークスを勝ってるから評価されてるっぽいな」
「負かした馬が重賞を勝ったんですね」
「そう。そうなれば人気するのも頷ける。で2番人気の……」
と言ったところで馬が出てくる。
1番の馬は真っ黒な馬体に鼻筋のところの白いのがやたらでかい馬だった。
顔は正直あんまりかっこよく見えないけど……
プロパティと呟くといつものようにステータスが表示される。
イムニコックス
HP198
MP0
たいりょく450
ちから550
すばやさ670
まりょく0
みりょく52
ちりょく63
あれ?この能力って滅茶苦茶高くない?
そう思ってこの前の天皇賞に勝った馬の能力をPCに表示させる。
ジークアドラル
HP529
MP0
たいりょく483
ちから594
すばやさ692
まりょく0
みりょく74
ちりょく52
やっぱりだ。この馬の能力ぶち抜けてる……でもHPが極端に低いのはなんでだろ? とりあえず師匠にいっとこ。
「師匠」
「ん? 全部見終わったのか? 早いなもう慣れたもんだな」
「いえ、違うんですあの1番の能力がヤバいんです。この間、天皇賞ってレースを勝った馬と同じぐらいの能力なんです。この馬って2歳ですよね? 2歳ってことはまだ成長するんですよね?」
「え……それってマジでいってんの? これ2歳戦だぞ、それでジークアドラルと遜色ないってそれヤバいだろ」
「俺の眼が間違ってなければ同じぐらいの能力です」
一応木曜日を更新日にしようかとおもってたんですが、ちょっと遅れちゃいました。
先週のマイルCSはジャンタルとアスコリピチェーノの二頭軸で買っちゃってたので見事に外れましたwww 最後の直線アスコリが来てたのでドキドキしましたが。
ジャパンカップはダノンデサイルとカランダガンで行きたいと思ってます。




