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異世界馬券師~ステータスが見えちゃうから競馬なんてイージーです~  作者: ぽいづん


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第25話 まだ負けと決まったわけじゃない

 パドックを離れ馬券を購入。


 俺は師匠の言った通りの3連単1点3万円を購入


 師匠は今持ってる全財産の10万円分の馬券を3連単1点で買い。

「これが来たら150万! 1.5帯!」

 そう言って馬券の写真をSNSにアップしている。


 そこには馬券の写真とともにこうメッセージが添えられていた。


『いくぜ! 2週連続帯チャレンジ!』


 師匠と一緒にメインスタンドに向かう。十数万人の人間がひしめき合っており身動きをとるのも大変。なんとかゴールが見える位置にたどり着くと旗振りおじさんが歩いている姿がメインスタンド正面にある大きなモニターに映し出される。


 おじさんがゴンドラに乗って赤い旗を振るとそれに合わせてファンファーレの生演奏が場内に響き渡り10数万人の人間が一斉に合いの手を打っている。


 ファンファーレが鳴り終わるとおおおおおおお!と十数万人の歓声が競馬場を包み込む。


 その光景は二回目だがぞわっと鳥肌が立ち、自分もその一体感に飲まれ興奮しているという感覚に陥る。

 となりにいる師匠はその中に溶けこみ一緒になって雄たけびをあげている。


 すると馬たちは次々とゲートに収まっていく。


 師匠がぶるっと身体を震わせ呟く。


「いくぜ……2週連続帯チャレンジ……」

 そして場内アナウンスが「各馬ゲートイン完了!」

 と言ってから一拍の間が空く。そして……


 ガシャンという音が響くとゲートに収まったいた馬たちが一斉に飛び出す。


「さあ。各馬一斉にスタートしました大きな出遅れはありません!」

 場内に響く実況。

 競馬場の真ん中にあるターフビジョンにその様子が映し出されている。それをみてふっと息をつく師匠。


「よし! 3頭ともいいスタートだ。まあ第一関門突破だ」

 その師匠が耳に入ってくると同時に場内実況の冷静な声が聞こえてる。


「6番キューテンフロント逃げるか、外から10番テイザーフサクがすーっといって先頭に立った。リードを1馬身、2馬身ととってバックストレッチに出ていきます。2番手にキューテンフロント、3番手に9番グレンアルテッツァ……」


 師匠の表情が一瞬曇る。


「おいおい……」


「どうしたんですか?」


「グレンアルテッツァって馬は差し馬で後ろから行く馬なんだそれが3番手だと……」


「後ろから行く馬が前に行けば強いんじゃないですか?」


「そもそもグレンアルテッツァはマイル、1600までならどんな位置でも大丈夫だしかしこれは2000だぞあんなに前を走ってスタミナ持つんか? 下手したら着外あるぞこれ……」


「え……」


 ちょっと目の前が暗くなってきたが実況は淡々と状況を伝える。


「……好位の一角に3歳ジークアドラル、それを見るように中団のうちに1番クラウドプレーン」


 うんうんと頷きながら師匠が俺に向かて話しかけてくる。


「この2頭は完璧だ。ジークアドラル、クラウドプレーンはいつもの競馬ができる位置取り。ステータス、実績的にもこの2頭できまるはず」


「で、でも9番が……」


「そう……9番が3着に来ないと俺たちの負けってこと」


 その瞬間、何とも言えないどよんとした気持ちになる。

「あー俺の3万が……」


 そう呟くとバーンと背中を叩かれ衝撃で身体がよろめく

「お前はアホか!! まだ掲示板に確の文字がでるまで負けじゃねぇんだ!! グレンアルテッツァが3着に残る可能性だってまだある!! あいつのステータス見たんだろ!! 異世界馬券師を信じろよ!!」


 いやいや師匠がヤバいっていったのになんで俺が責められてんのよ……なんて一瞬思ったが、師匠の言うことは一理も二理もある。


 まだレースは終わってないしまだ負けときまったわけじゃない!





長らく間があいて申し訳けありません。

色々と忙しくて更新できる余裕がなかったです。マイペースに更新していければいいなと思ってます。


休載してるあいだにタイトルホルダーがめちゃくちゃ強くなってエフフォーリアが急に勝てなくなったりとやっぱり競馬は面白いですね

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