1度目:大きな坂で出会って。
桜舞い散る坂道を何が嫌でこう毎日登れるか。
高校生になったらもう少しましな坂道かと思ったが、コイツは偉い違いだ。
中学の時より急だ。
現に、俺は今無性に疲れている。
入学そうそう、偉い難関を見つけてしまったようだ。
何気なく、ただ平凡を追い求めていた俺にとってはこれ以上、異常というまで疲れる行為はしたく無いと思っていたのだが…
二度ある事は三度ある。
俺は、この大きな坂道に似つかわしく無い、小さい少女に出会ってしまったようだ。
「おい、そこの男、おぶれ!」
はて、俺は前にこのちっこい少女と出会っただろうか?
思考を廻らすも思い当たる節はない。
「おい、男、聞いているのか?」
訳が分からん。
初対面の奴に命令するとは…
偉く教育が行き届いて無いガキだ。
「あの〜、お嬢ちゃん。お兄さんは今忙しいの。」
「おい、お前、私を子供扱いするのか!私はこれでも高一だ!」よーく見ると、確かに我が高校の女子制服だ。
いわいる、あれだ、幼児体型と言うわけだ。
それにしても生意気だ。
「早くおぶれと言っている馬鹿者!」
コイツには常識という言葉がないのか。
「初対面の奴におぶれと言われて、おぶる馬鹿が何処にいるか!」
「お前、我の命令に歯向かうつもりか!」
幼児体型娘がそう言った途端、後ろから声がした。
「夢!また力を使おうとしましたね!」とてつもなく綺麗な少女が幼児体型娘に鬼の形相で近づいて来た。
「貴方は、どれだけの方が迷惑為てると思ってるのですか!」
その通りと思ったが口には出さなかった。
しばしの説教を眺めていると、美少女がこちらを向いた。
「すいません、許してあげて下さい。」
「は、はぁ〜」
こんな美少女を敵には回せまい。
俺は素直に許すと、二人は一礼して、学校へと向かって行った。
ふと思い返す。
先程、この大きな坂道に似つかわしく無い、小さい少女と表現したが間違いだったようだ。
この大きな坂道のように、態度のデカイ少女だな。
ふと時計をみる。
ヤバい、遅刻しそうだ。
「少し走るか。」
こうして、俺の、高校生活は幕を開ける。
ご覧いだたき誠に有り難うございます。感想を書いて頂ければ幸いです。