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星のいのち  作者: しぱたん
4/107

ペット枠?

モフモフ要素も必要かなと思いまして。

4.ペット枠?


 「だって、おいしいんだもの」ルゥ。

 「食べることがこんなに素晴らしいものとは・・・」ラン。

 「お前までか?いちばん落ち着いていると思ったがな」これはギンガ。

 「実体化していろんなことを経験していくことが重要」とはアルの説明。

 アルが一番冷静なことがはっきりした。しかし、お腹をさすっているのは同じだ。


 「飯を食ったから、私は気を巡らすぞ。前もって言っておくぞ。合わなかったら少し離れてくれ」ギンガはすぐに気の循環を始める。体を淡い数多の光が覆い始める。

 「これは!」六人とも驚く。

 「さっきの竜を切ったのと同じ?」戦闘得意のルジェが言う。

 「何か違うような?」探知担当で気配に敏感なヴェル。

 しばらく考えていたアルが「たぶん同じもの。さっきは研ぎ澄まして攻撃に使った。今は生命活動を整えるために柔かく流している」。

 「すごいわね、戦いにも、癒しにも使えるのね。もっといろいろできるかも」と、まとめに入るラン。

 「でも気持ちいい。おやすみなさい」ジェヌはフードの底で寝始めた。


 ヴルフたちは「気」の気配に一瞬緊張したが、まだ残っていた餌を食い、骨かじりを再開した。ただ、群れのボスであろう漆黒の個体はじょっとギンガを見ていた。


 「確かに襲ってこないね」ちょっと残念そうにルジェ。

 「来たら戦うの?勝てないわよ、まだ」ラン。

 「群れは自分たちより圧倒的に強いやつは襲わない、このことなのね」アルが納得する。

 「この「気」が、自分たちに向かえばあっという間に殲滅される、それが判っているのよ」ヴルフの気配を探っていたジェヌ。


 「近寄ってくるのがいるよ」お腹をさすっていたルゥが指さす。

 灰色や黒っぽい毛皮の群れの中で目立つ真っ白というより銀色の毛並みのちっちゃな子ヴルフがトコトコ近づいてきた。

 真正面に来て、瞑想しているギンガをじっと見つめる。

 ふっと目を開けたギンガが問う。「一緒に来るか?」「ガウ」答えるように吠えギンガの膝に飛び込んでくる。撫でていると嬉しそうにじゃれついてくる。それを見ていたヴルフのリーダーが大きく吠え背を向ける。それを子ヴルフは見送っていたが、膝に戻ってじゃれ始める。


 「この子、「気」を吸収してない?魔力を吸収するように」とヴェル。

 「ほんとだ。そんことできるんだ」ルジェが感心する。

 「どういうこと?」考え込むラン。


 すると、「あったかい~」とジェヌの寝言。

 「魔力と「気」は似ているのかも。考えてみる・・・」アルはがまた考え込む。


 「ってことは、あの竜をぶった切った技をあたいも使えるってことかぁ!」ルジェのテンションが一気に上がる。

 「おい、ギンガ。あたいにも教えろ」。ギンガの顔の前に迫ってくる。


 「教えろって言ってもなぁ。教えたことなんてないし」。

 「じゃあ、ギンガはどう教えてもらったんだ?」。

 「・・・感じろ。それだけだ」。

 「はぁ?何よそれ?」

 「私からも聞いてよいか?ルジェはマジュ粒子、じゃなくて魔力なら吸収できるのか?」。

 「あたりまえじゃないの。まわりにあるからいつも受け入れてるわ」。

 「魔法使うときはどうするんだ?」。

 「体の中にある魔力を使うのよ。足りないときはまわりにある魔力も使うの」。


 「・・・うーーん。じゃあ私が体内を循環させている気をこの手の上に出すから、魔力を吸収するように吸収できるか試してみるか?」

 「やるやる」ルジェはノリノリだ。


 掌の上に乗るルジェ。

 「いくぞ」。

 「うむ」・

 掌が薄く光る。吸収しようと集中するルジェ。

 「・・っ。ちょっと待って。・・・ハァハァ、だめだわ。すぐに一杯になっちゃう」

 「見えた?」いつの間にかじっと見つめていたアルが、隣のヴェルに聞く。

 「うん。吸収はした。でもすぐに溢れた、かな?」


 「どういうこと?」ランが聞く。

 「ん~、魔力なら私たちはすごく大きな容量がある。でも気と魔力は似て非なるモノ。だから、入れる場所がとても小さい。大きくする努力?修行?それが必要」アルの分析。


 「修行ってどうやるんだ?」ルジェはやる気満々だ。「感じろ、ではわかんないぜ」。

 「毎日続ける。たぶん」アルが首を傾げながら答える。

 「ご飯の後にギンガがやっていた気を巡らす?だっけ、あれを一緒にやって自分の中に気の容れ物を作っていく、かな」ヴェル。

 「吸収しようとするとさっきのルジェのようにすぐ溢れちゃうから、巡らすのが重要、だと思う」。


 「やるなら全員でやろうよ」ランが提案。

 眠いと渋っていたジェヌも、「あなたが落ちこぼれると、一緒にいなさいという母様の心に反しちゃうかもよ」とルゥに言われて同意。ということで、全員でやってみることになった。


 「私は、いつもの自分のやり方でやるから、自分のやり方で付き合ってみろよ」とギンガ。

 と同時に微かな光が瞬き始める。全員がそれぞれ陣取って気の流れに合わせ始める。

 子ヴルフもギンガの脇に座って同じように合わせ始めた。

 気づいたギンガは片目を薄く開けて「お前もか」とあきれたように薄く笑った。

 

 つかの間の静けさがそよかぜとともに流れていく。





 小一時間のち、「この子の名前つけなきゃな。もう名前あるのかな?」とギンガ。

 ヴェルが子ヴルフの顔を見ながら「名前はないみたい」。

 「ヴェル、こいつと話ができるのか?」。

 「言葉を交わすんじゃないけど、なんとなく通じてるはず」。

 「そうだなぁ・・、ラージャでどうだ」

 「ガウ!」

 「気に入ったみたいよ」。ということで子ヴルフの名前はラージャに決まった。


 「さぁ、出発だ」。旅の始まりだ。


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