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「理論」
おかしな人に拾われてから数年。
二人と一匹?の旅は唐突に終わりを告げた。
ヴィンセントが死んだからだ。
殺されたから。
ヨミとも離れ離れになってしまった。
あたしは、一人だ。
一人になって、イブという人と氷裏の監視下に置かれる事になった。
その人達はあたしに言ってくる。
常識を打ち破る人が必要だったと、それでいて反撃のできない弱い人間が必要だったと。
あたしは監視されながら、人を強制的に従える魔法……。音を利用した洗脳魔法を作り上げた。
ヴィンセントが託そうとしたサテライトの技術は物にならなかったのに、悪い人の為の魔法はあっけなく形になる。
あたしは悲しくなった。
魔法の名前はサウンドと名付けた。
でも、あたしは物にならなかったと言ってヴィセントに教わった事を忘れたわけじゃない。
みんな頭の中に、理論も必要な材料も残ってる。
あたしは何としてでも、弟子のセルスティーさんにこの理論を伝えなくちゃいけない。
その為に、こんなところで終わるわけにはいかなかった。
大人しく従うしかなかった。
セルスティーさん。
どんな人なんだろうか。
師匠に似て、気難し人だろうか。
それともあの怖いヴィンセントの出した試験が不合格になるんだから、優しい人かもしれない。
会ってみたいな。




