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ブラックボックス「GH」  作者: 透坂雨音
03 おまけ
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「呪われ続ける命」



「方城未利、分岐生命4番、実験体0、風見茉莉、永野茉莉、……莉、レ……、……、……」の記録について一部メモ


 彼女は死ねない。

 何があっても死ぬ事ができない。


 肉体的に死ねないのではない、運命的に死ぬ事が許されていないようだ。


 彼女の運命はあの日を境に逆転してしまった。


 死の運命を突破した彼女は、何があってもいかされる運命に書き換えられてしまった。


 誰が死んでも、どんな不幸が起きても。


 彼女が生き残り続けることは、運命づけられてしまったらしい。


 ゆえに、


 強盗に人質にされようが、

 荒れ狂う川に落下して飲まれようが、

 建物の中で火事に巻き込まれようが、

 強欲な商人に値札をつけられようが、

 大勢の人間に命を狙われようが、


 死んだように見えても死ねなくなってしまったのだ。


 例え、

 記憶をなくそうが、

 親しい誰かが死のうが、

 世界が滅んでしまおうが……。


 実に興味深い。


 彼女は本当に好奇心を刺激する個体だ。


 その器には一体どれだけの可能性が秘められているのだろうか。


 切り開いて、浸して、めくって、叩いて、つぶして、欠けさせて、かけさせて、壊して、流し込んで、入り込んで、刺して、貫いて、ぶちまけて、ひかっけて、まぜっかえして、ぬりつぶして、つけくわえて、与えて……色々と調べてみたくなる。


 本当なら、一度で使い物にならなくなるところだけど。

 検体は幸いにも無限に用意されている。


 これもそれも、イブがあの復讐者に、肝心な事を言わないから。


 だからあの男の旅路は何度何度も繰り返し続けて終わらないんだろうけどね。




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