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回復魔法の作り方

【ガンズ】


建ち並ぶ兵舎の一角にある食堂舎。俺は少し早めの昼飯にしていた。


辺りには俺と同じく非番の兵達がやはり同じく飯にしている。


皆、筋肉隆々たる半裸の巨人どもだ。ヒューマンから『人喰い鬼』と呼ばれる彼等オーガ兵が飯を喰らう様は、例え行儀良く食事をしていても端で見ていて『目に優しい』とは謂えない。


かく言う俺自身『半裸の巨人』だが。


ここはオーガ兵大隊の駐屯地。


因みに早飯の理由は昼休みになった当番兵がじきに飯を喰いに来る為、狭い食堂を空ける必要があるからで、半裸の理由は『着れる服が売ってない』


魔族のほとんどがヒューマンと背格好が同じかそれより小さいのだ、我等巨人族たるオーガが着れる訳がない。そしてオーガは少数種族なので街の仕立屋が作りおきなどしたりしない。


つまり俺達が人並みに服を、となれば当然特注となる。


……王候貴族でもあるまいし。


基本、下帯一丁、それに自分で狩った獣の毛皮を腰巻きにする。それにあわせて鎧換わりに厚革の腹当て。見た目は皆そんな感じである。


まぁ、それはともかく。


俺は周りの連中よりゆっくりと食っていた。部隊の隊長をやっている都合、余裕のある動作というものが求められているからだ。慌ただしいと兵達が動揺する。


食堂は当番の部隊長と軽く情報交換をする場でもある。


彼を待つ間ゆっくり食べる。さっさと済ませて待つのは居心地が悪い。ヒューマンなら広く感じる食堂舎もオーガにとっては手狭だから『食い終わったらさっさと出る』という暗黙の了解があるのだ。



「よぅガンズ部隊長」



どうでもいい事をぼんやり考えていると今日の当番兵を率いるゴル部隊長が隣に座った。


ゴルとは長い付き合いだ。ほぼ10年?それくらいにはなる。



「……ガンズ、お前辞めるって?」



ゴルが声をひそめて訊いてきた。



「まぁな……戴冠式も終わった事だし」



先王陛下が崩御して二月。王太子を決めてなかったせいでもめていた新王選定もやっと決まり、第一王子が即位したのが三日前。


我等の一族に居留地を与えてくれた先王陛下への義理もこれで立った。


新王陛下がヒューマン至上主義の『光神教』信者というのがいただけないが、まぁそこは個人の自由だ。


我等がオーガ大隊自体は健在なのだから近隣諸国がいきなり攻めてくる事もないだろう。



「今すぐの話じゃない。引き継ぎもあるし、二~三ヶ月は居るさ」



そう言ってゴルを安心させる。



「そうか、で?その後どうする?田舎に帰るか?」


「そうだな……旅に出るのも悪くないが……まずは帰るかな」



そうは言っても、実のところ居留地には興味がない。


なにしろ兵隊稼業でずっと城詰めだった為に一度も行った事がないのだ。便宜上『田舎』なのだが『故郷』という訳ではない。


訪れたところで懐かしいとか郷愁だとか胸にせまるものはないだろうし。



「しかし、第一王子が王様ねぇ」


「順当だろう」


「順当だがよ、光神教徒だろう?隣のアルマー王国じゃあドワーフが光神教徒に追い出されたってよ。さっき行商から聞いたぜ」



溜め息が出る。


ヒューマンが至上だと思い込むのは勝手だが、他種族を排斥するというのはやり過ぎだ。


光神教は排斥などしていない、暴走した信徒によるものだと、司祭達は言っているらしいが……どうだか。


光神教ではヒューマン以外は『魔族』と呼んでいる。そんな呼び方をする相手と仲良く出来るか?お陰で光神教徒以外のヒューマンまで俺達を魔族呼ばわりだ。


新王陛下が光神教徒になったのは、以前命にかかわる程の大怪我を、『光神の奇跡』によって回復したからだ。


俺は魔法には詳しくないのだが、おそらくこれは魔法なのだろうと思う。しかし回復魔法というものは存在していない。魔法使いの誰も発明出来ていないからだ。


光神教は回復魔法を発明した事を秘密にして神の奇跡と宣伝しているだけではなかろうか?


この『奇跡』のおかげで光神教は信者を増やしていた。隣のアルマー王国など国教に指定している程だ。





「総員傾注!」



いきなり大隊副長の銅鑼声が響く。


みれば大隊長、副長以下オーガ兵がぞろぞろと。



「おいおい、全員じゃねぇか、一体何があった?」



思わず俺とゴルは顔を見合わせた。あれよあれよという間に食堂は鮨詰め状態になった。



「総員傾注!大隊長の御言葉である」



静かになったところで、副長の目配せを受けて大隊長が声をあげた。



「我等がラムール王国、新国王陛下よりオーガ大隊に御命令をたまわった……」



大隊長はそう言うと目を閉じた。眉間には微かに皺がよっている。


良くない話だ、冷静沈着でどんな事があっても顔色を変えない大隊長が何かに堪えている。


戦が起こるのか?しかし我等オーガ大隊は向かうところ敵無し。近隣諸国に勇名を馳せている。我等に対抗出来る算段無しにどこの国が戦を吹っ掛けるだろうか?


それともこちらから宣戦布告を?だからといって大隊長がしぶい顔をするだろうか?



「本日をもってオーガ大隊は解散とする……以上だ」



誰も身動き一つ出来なかった。誰も大隊長の言葉が理解出来なかった。


大隊長は今何を言った?


解散……だと?


本日をもって?



「ありがたくも陛下より全員に慰労金が与えられる。受領した者から順次……本日中に王都を出よ。との事だ」


「大隊長!」


「待ってくれ!それじゃあまるで…」


…………『追放』


全員の頭にその文字が浮かんだだろう。


大隊長が隊員全員を見渡す。食い縛った口を開け、血を吐く様に言った。



「……王命だ」



その言葉を聞いた瞬間、俺は立ち上がった。



「意見具申します」


「ガンズ第三部隊隊長、何か?」


「居留地の一族を退去させるべきと愚考します、国外へ」



辺りがざわめく。



「その存念は?」


「理由について、まずゴル第一部隊隊長より報告があります。アルマー国について」



俺かよ!?という顔でゴルはこっちを見ると、しぶしぶながら立ち上がった。



「昼前に行商から聞いた話です。アルマーのドワーフが追い出されたと……光神教信者どもに」



ゴルは頭を掻きながら続ける。



「なんでも鉱山町のドワーフを、女子供まで坑道に押し込んで入口を塞いだんだとか。そうして無人になった町を焼いたそうです。ただ坑道の出入口はいくつもありますからね、夜闇に紛れて逃げ出せたそうです。町を焼かれたから着の身着のままだったらしいですが。以上です」


「ガンズ隊長、つまり我が一族にも?」


「起こりうる、と愚考します」



俺達は座った。後は大隊長がどう判断するか。


光神教徒である新王がオーガ大隊を解散する。ならば先王陛下に保障された居留地がそのままにしてもらえる可能性は?


もし光神教徒どもが大挙して一族の居留地を襲ったとしても、オーガは強い。オーガ一人倒すのにヒューマンが何人必要かと考えれば撃退する事は出来る。


しかしそれをやれば新王は居留地を取り上げる口実にするだろう。確実に。


大隊長は目を閉じて暫し考えて、そして言った。



「これより大隊の方針を達する!大隊は居留地の一族と合流、しかるのち一族の移動に際し護衛任務にあたる!」





五日後。


居留地で一族を説き伏せる事は出来た。大陸を横断した先にある『魔国』が目的地に決定した。


全員が家財をまとめると同時進行で、大隊は周辺から獲物が居なくなる程狩りに勤しんだ。


大移動には食糧の確保が先決だ。少なくとも一族が一月二月は飢えずにすむだけの量が必要だったからだ。


そして今日、一族は出発する。西にある魔国へ。



「大隊長、副長」



二人が段取りを話し合っているところに俺は割り込んでいった。



「以前願った通り、俺は除隊します。うちの部隊指揮は副長にお願いしたい」


「おいガンズ!今か?それはないだろう」



副長が気色ばんだ。


それはそうだろう、一番忙しい時だ。重々承知している。



「今一族が動く時に除隊を願う理由は?」



大隊長の問いに答える。



「西の魔国ならばおそらく我等を受け入れてくれるでしょう、俺もそれには賛成です」



魔国は広大な領土を持つ多種族国家だ。大陸の東側では魔王の統べる魔族の国と考えられている。


しかし魔国では魔族という呼び方をしていない。ヒューマンも我等オーガも含め、全て『知的種族』と定義している。


そして現在の魔王……いや国王は国是として『万民協和』

……知的種族はお互いに協力し助け合うべしと定めている。


一族が魔国へ向かう理由はこれをあてにしているからだ。



「とはいえ、事前に断りも入れず大勢で押し掛けるのは要らぬ軋轢を生むかと」


「つまり?」


「先触れが必要でしょう。まず向こうの役人なりに話を通す為、俺が先行します。その為には部隊を引き連れる訳にはいきません。部隊は護衛任務にあてるべきでしょう。ならば指揮権を委譲すべきと愚考しました」


「ガンズ隊長、貴様でなくともいいだろうに?」



副長の言葉に俺はかぶりを振った。



「言い出しっぺですよ俺は」




─────────


二週間が過ぎた。


この間俺は街道を急ぎ西へ向かい、魔国の王都に着いた。


一族は家財など荷車に載せ皆で進む為に移動には時間がかかる。先触れとして俺は出来るだけ早く魔国へたどり着かなければならなかった。


この一人旅は俺にとって戦以外では初めての遠出といえるが、景色を楽しむ余裕はなかった。


こういう時、ヒューマンなどが羨ましく感じる。我等オーガは身長3メートルを超える為、馬には乗れない。乗れたならもっと早く到着しただろう。


今、俺の目の前には王都を囲む城壁と巨大な門がそびえている。


額の汗を拭い、きれる息を整えながら門をくぐり、門衛に事情を話す。


小一時間後、俺は魔国の『移民局管理長官』を名乗る文官と対面していた。


かなり早い対応だ。



「最近多いのですよこの手の案件は」



にこやかな顔で管理長官は言った。光神教のせいでエルフやドワーフ、ノームなど故郷を追われてくるのだと。



「しかし一族総出で移民を希望されるのは初めてのケースですな」


「他の種族は一族でこないのですか?」



管理長官は眉を曇らせる。


彼はヒューマンだと思うのだが、何だろう……何か違和感を感じる。



「どうも皆さん散り散りに逃げのびて、なんとかたどり着くというのが多いですな。多くて数家族ですよ。痛ましい事です」



一族で魔国を目指してはみたものの、慣れない逃避行に気が付けばバラバラになってしまうらしい。我が一族のように大隊の護衛による移動といった例はないそうだ。


話を聞きながら、違和感の正体に気付く。


臭いだ。彼の体臭はヒューマンというより獣の様だ。


俺が臭いをかいでいるのに気付いたのだろう。



「あぁ、私はヒューマンではないのですよ、ライカンです……ライカン、御存じですか?」


「ライカンとは?失礼、ラムールには居ない種族で」


「正式にはライカンスロープ、まぁ判りやすく言うと狼男ですな。我が国ではビーストマンと並んで人口が多いですよ」


「……失礼、そのビーストマンとは?狼男は伝説で聞いた事はあります」



移民局管理長官は、あぁ大陸の東側には居ませんねと笑った。



「ビーストマンは私達ライカンの祖先とでも云いますか、獣人です。ライカンが人化・獣化するのに対してビーストマンは変身しない、二本足で歩く狼みたいな種族ですよ。元々は主筋のヴァンパイアが品種改良でビーストマンを生み出した際に突然変異で出来たのが私達ライカンです」



長官は自らの出自を誇らしげに語った。


曰く、ヴァンパイアは護衛の為の従属種族としてビーストマンとライカンを作出した。現在はヴァンパイア個人に忠誠を誓ってはいないが国王その人がヴァンパイアなので自分の様な役人になる者は多い、と。



「すみません、話が横道にそれましたね。それで、ガンズ様の御一族は何人程になりますか?」


「そうですね……改めて数えた事はないのですが、大体500人前後…」


「500人!?」


「少数種族ですので……どうしました?」



長官は考え込みはじめた。


それ程多くはないだろう、アルマーのドワーフだって二~三千人はいたはずだ。


一族総出で来るのだから予想出来る数のはずだが?



「……H基準でいうなら5000人相当に当たります……これは私の裁量を超える……」



5000人?500人と言ったはずだぞ?



「いえ、500人と言いました。H基準とは何ですか?」


「あぁH基準というのはヒューマンの能力や身体を基準にしたものです」



曰く、この世界の総人口の過半数を占めるヒューマンを他種族を測る目安にしているのだと言う。



「例えば衣服ならライカン、ビーストマン、エルフなどは基準値ですが、ドワーフ、ノームなどはそれより小さくて、巨人族は逆に大き過ぎて外れます。そして生活基盤で考えるならオーガはヒューマン10人分の怪力。当然食事量も……」


「いえ、食事に関して言うならば我々はせいぜい3人分、大食漢でも5人分です」



いくらなんでもヒューマン10人分は食わない。オーガ一人で一日30食になるではないか。どんなに豊かな土地でも砂漠になる。



「そうなのですか?あいにくと我が国にオーガはおりませんので、計算には噂で聞く力の強さで判断するしかないものですから……しかしそれでも1500~2500に換算ですか。サイクロプスやミノタウロスよりは高い数値です」


それはそうだ、他の巨人族よりはオーガの方が身体が大きいのだし。


古の巨人達、今いる巨人族の祖先は身長が10メートルにも達した。彼らならヒューマン10人分の食糧が必要だったかもしれないが、彼らはすでに滅び、その子孫は進化の過程で小さくなった。



「やはり私の裁量を超えます。明日、国王陛下の謁見があります。地方の陳情を訊いたり外国の使節と面会するものですが、貴方の面会を組み込みましょう」



簡単に済みそうだった話が大きくなってきた。





─────────



「ラムール王国より亡命希望者代表、元オーガ大隊部隊長ガンズ殿!」



謁見の紹介が玉座の間に響く。


俺は片膝を付き頭を下げる。



「面を上げよ。直答許す」



かなり若い声だ。


顔を上げて驚いた。


玉座にちょこんと座っているのは子供、ヒューマンでいえば10歳くらいだろうか。


白いというより蒼白い肌に紅い瞳、黒髪の少年。


気だるげに片肘をもたれ、値踏みする様に鋭く俺を見ている。


玉座の脇に控えている全身鎧の男は護衛だろうか。かなりの手練れらしい。


顔を見ると骸骨だった。立派な口髭をたくわえている。……骸骨?


妙な取り合わせだ。



「なんだ?玉座に座るには若過ぎか?こう見えて50歳…まぁヴァンパイアの幼年期は100年だから余が糞餓鬼なのにかわりはないが」


「これ若!」



骸骨が国王を諌める。



「いえ、失礼しました。ヴァンパイアの御方にまみえる栄は初めての事。不調法を御許し下さい」


「余が想像したよりオーガは饒舌なのだな。サイクロプスやミノタウロスはだいぶ寡黙だ。せっかくの謁見の機会でも口数が少ない」



ニヤニヤとしながらヴァンパイア王が言った。それは口数が少ないのではなく緊張で喋れないだけでは?


……かなり人が悪そうだ。



「移民局から話は聞いた。単刀直入にいこう、お前達は寒さに強いか?」


「はっ、我等オーガはラムールの北部に居留地を与えられておりました。冬場は雪深い山あいの土地であります」


「そうか!ではもうひとつ、他の種族と同じ場所、要は村を作るのはどうか?」


「はっ、今まで他種族と土地を共有した事はありません。ですが協調性はありますので、オーガに偏見のない種族とであれば可能と愚考します」



ヒューマンと同じ村に住めというのは遠慮したい。人喰い鬼などと誤解もはなはだしい事を真に受ける連中とは難しいだろう。



「そうか、余は北の土地を開墾する計画を立てていた。ミノタウロスからの要望でもある。お前達が周囲の魔物などを狩猟し、ミノタウロスが耕せばよい集落が出来るだろう。他にビーストマンとエルフも送る」



エルフ?余り良い隣人とは言えない。


ヒューマンの次に他種族と軋轢を起こす連中だ。大抵相手を見下す言動で面倒を起こす。


俺の思案を感じ取ったのだろう。国王陛下が言った。



「心配しなくとも我が国のエルフは他とは違う。ちゃんと躾ている……躾ていないエルフは猿みたいなものだからな。第一、オーガに喧嘩を売る猿がいると思うか?」


「御賢察恐れ入ります。陛下の御言葉を何よりの保障といたします」


「良い。躾のなっていないエルフがいたらひっぱたいて良い。余が許す」



陛下はエルフがお嫌いなのだろうか?猿呼ばわりとは。


しかし『万民協和』を掲げたのは陛下その人だ。





謁見も時間的にそろそろ終わりだろうと思ったその時。



「ちょっとダメ!そっち行っちゃ!」



なんだ?と思えば脇の扉から子猫が入り込んでいた。そして子猫を追いかける侍女姿のエルフ。



「さぁ捕まえた!ダメでしょここに入っちゃ」



子猫を抱き締めて言い聞かせた侍女は顔を上げた。


当然、俺の姿を見る……もちろん国王陛下の姿も。



「あっ!」


「……『あっ!』じゃない!何をしとるんだ子猿!」


「猿じゃありませんエルフです」


「うるさい黙れ。謁見中だ」


「でもこの子が」


「猫など鼠のいない場所にそうそう来るか。そんなもの追いかけてないで自分の仕事をしろ」



国王はそう捲し立てるとシッシッとエルフを追い払った。


国王の顔に少し赤みがさす。恥ずかしがっているのか。



「若、こういう場合は無視されるべきですぞ。お客人が対応に困りますからな」



骸骨が玉座の子供をたしなめた。


陛下はさらに赤くなると咳払いをする。



「すまんオーガ。躾のなってないエルフがいた、許せ。あれはひっぱたかなくて良い」


「若!一言多い」


「……話を戻すが貴様の一族の受け入れ、今の条件を呑むならば許可しよう」



俺は頭を下げた。


さっきのやり取りはよくある事なのか?


疑問はあったが、流すのが大人の対応というものだ。骸骨の言う通り。



「陛下の御配慮ありがたく、一族皆陛下に忠誠を捧げましょう」


「良い。貴様の一族にはこちらから伝令を送ってやる。では下がれ、あぁ貴様はどうする?兵隊を辞めたと聞いたが?」


「はっ、私はラムール王国先王陛下への御恩を返した後、見聞を広めたいと願っておりました。ですので暫くは王都にて過ごしたく存じます」


「ふ~ん、なら第一城壁西門ちかくの宿に行け。国営だ、冒険者用の。見聞を広めたいなら丁度良い。余からの紹介だと言っておけ」


「はっ、ありがたくお受けします」



……国営の宿?冒険者用の?作るか普通?


変わった国だ。



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