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最下位の優等生  作者: 月乃ゑ 浩二/天鵞絨
第1章 フェスタリアン学園
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5話 特訓

今週は思いの外暇だったので連続で投稿できましたが次話投稿は正直いつになるかわかりません。

 学校が終わり、だいたい4時くらいになるだろうか?いつものように自分の家に着くまでの道をあるきながらどうしたらレイシアに追いつけるだろうと考えていた。そうこうしているうちに俺の家が見えてきた。


なぜか俺の家は家自体はボロボロのくせに庭はものすごく広かった。最初はただ広いだけで無駄だなと思っていたが、小さい頃武術をすることをきっかけにトレーニング場所として使い始めた。


「ただいま」


 狭い玄関で自分の声が響いている。そうするとリビングの方から明るい声が聞こえた。


「おかえり」


 この女性は茂雄の母で横田敏子。魔法は使えないが武術の専門の格闘系お母さんだ。時々稽古をつけてもらっている。


「母さん今日庭で特訓するから」


「琴音ちゃん?」


「いやレイシアっていう転校生に技を教えてもらうんだ。」


 お母さんは嘲笑うかのように茂雄に言った。


「青春してるね〜」


 俺は反射的に「してねーよ」と顔を赤らめながら言葉を放った。


 そのあと階段を上がり自分の部屋に入った。制服を脱ぎ運動着に着替えたあと疲れたのでベットに横たわった。


 するとチャイムがなり母さんの声が聞こえた。


「レイシアさんが来たわよ」


「はーい」


 茂雄は駆け足で階段を降りた。玄関にはジャージを着たレイシアが立っていた。


「こんにちは」


 茂雄は唖然としていた。レイシアは確かに可愛いが今着ている服があまりにも似合っていなかったのだ。上下同色でラインが一本も入っていない水色のジャージだった。


「こんにちは」


 彼女は淡々と返事をかえした。茂雄はこんなジャージ着ていて恥ずかしくないのかと疑問に思ったが、特訓の時間もなくなるし家の外に出た。茂雄はレイシアを手招き庭に連れて行った。するとレイシアの口が動いた。


「自分の庭が広いとは言っていたけれどこんなにでかいなんて思わなかったわ」


 レイシアは一瞬頬を緩めたが次の瞬間いつもの無表情に変わった。


「さてここら辺でいいでしょう」


「お、おう。で、まず何をするんだ?」


「ではまずあなたが使える魔法は閃光(フラッシュ)だけでいいのよね?」


「うん」


茂雄が頷くとレイシアが構えた。


「まぁ見たほうが早いから見てみて」


 レイシアがそう言った瞬間レイシアの頭上に明るく光るものが出てきた。まるで恒星のようだ。レイシアが口を開いた。


「これは光矢(パファイルリフト)とい技。遠くから敵を狙えて初級者にも使えるから覚えていたほうがいいわ」


 茂雄は大きく口を開けて立っていた。


「茂雄」

 

レイシアは強めに声を出した。レイシアの表情がほとんど変わらないから怒っているのかもわからないから余計怖い。


「ごめん」


 茂雄は肩を落とした。はぁー、こんなこと出来るの

か。不安に思いレイシアに尋ねた。


「俺でも使えるようになるかな?」


「言う通りにすればなると思うわ」


 茂雄はそのようなことが言われて、俺にもできるん

だと心の中ではしゃいでいた。


「じゃあ始めるわよ。まず体の中に流れているエネルギーを一つの所に集めるイメージしてみて」


 そう言われたので指先に集めることにした。指先に集めているとだんだん先が熱くなってきて黄色い光のようなものが出てきた。


「こんな感じかな?」


 茂雄はレイシアの方を向いた。


「最初にしてはいい感じね。次はその黄色い光を矢の形にするのよ」


 頭の中でさっき見たレイシアの光矢(パファイルリフト)のようなイメージを浮かべた。すると黄色い光が矢の形になった。


「やったぜ!今までこれっぽっちも出来なかったのにこんなにも簡単にできるなんて、レイシアはすごいな」


 茂雄は興奮のあまり指先の集中を下に逸らしてしまい、その場が一瞬明るくなり爆発が起きた。俺は後方十メートルほど飛ばされた。周囲から光がなくなるとさっきまで自分がいた場所に人が一人入れるくらいの

大きな穴が開いていた。


「普通の人が光矢(パファイルリフト)を使ってもこんなにならないわ。やったわかったわ。なぜあなたがあの学校に入れたのかはあなたはすごい量の魔力を持っているからだわ」

 

レイシアは焦ることもなく冷静に茂雄の分析をしていた。


 茂雄は唖然としていた。なぜなら今まで何の才能もないと思っていたのだ。しかもフェスタリアン学園は成績が優秀じゃなきゃ入れないのによく分からないうちに入学したのでいろいろとモヤモヤとしていたのだ。それと同時に茂雄は魔量の量が大分のだと知れて心の底から喜びが込み上がってきた。思わず声がこぼれ

た。


「ほ、ほんと?」


レイシアに改めて確認してみた。


「ええ、ほんとよ」


レイシアはいつもの表情よりさらに硬くなっていたのがわかる。多分原因茂雄の魔力の量だ。


「あなたは多少武術ができるから次は肉体強化の魔法を教えるわ」


茂雄は自分の中の取り柄であった武術を多少呼ばわりされて精神的に来ていた。


「お、おう」


「じゃあ、始めるわよ。まず加護(プロテクト)の説明からするわ。加護(プロテクト)には五種類があるの、火加護(プロテクト)は攻撃力がものすごく上がる。自然加護(プロテクト)はスピードがものすごく速くなる。水加護(プロテクト)は防御力がものすごく上がる。

そして光加護(プロテクト)は3色の効果とさらに防御力が上がるのよ。当然光属性以外使えないわ。闇加護(プロテクト)は3色の効果とさらに攻撃力が上がる。説明はこの辺にして、試してみるわ」


レイシアの周りはみるみると明るくなり次の瞬間光は消えた。


「失敗?」思わず言葉が溢れた。レイシアは言った。


「いいえ。失敗してないわ。むしろ大成功だったかしらね」


「え?」


茂雄はレイシアの言っている意味がわからなかった。なぜなら周りの光が消えて、茂雄の目には見えなかったからだ。


レイシアは「私を見て」と叫んだ。

時々見る恋愛ドラマのワンシーンのようなセリフを言われて、茂雄は顔を赤らめた。レイシアをみると二十メートルほどの距離があったら。何をするんだと思いながら見ていると、さっきまで見ていた場所にレイシアがいない周りを見渡していると後ろから肩を叩かれた。


「ここよ」

茂雄は舌を巻いた。強化魔法でこんなにも違うのか。


「多分あなたは加護(プロテクト)を使えば強くなれると思っているだろうけど、魔力制限を間違えたら体が自分の魔力に耐えきれなくて、肉体がバラバラになる可能性があるからむやみに魔力を使わないほうがいいわ。あと私は鍛えているし、光属性だから色々なパラメーターが格段に上がるけど普通の人は特別な属性でもないし鍛えていないから私みたいに一気にパラメーターが上がるわけではないわ」


レイシアはなんだか誇らしげこちらを見てきた。凄いでしょわたしと言っているようなものだ。それを察した茂雄はレイシアを褒めた。


「レイシアはすごいな。どのくらい練習すればレイシアみたいになれるんだ?」レイシアに期待の眼差しを向けた。


「茂雄の頑張りしだいよ」


レイシアの頬が少し赤くなっていた様に見えた。照れているのだろうか。そんなわけないか。そう納得するとレイシアに聞いた。


「それで加護(プロテクト)のやり方は?」


「あなたさっきの話聞いてたの?」レイシアはやれやれと呆れながら聞いてきた。


「うん」俺は首を縦に振った。


「下限を間違えたら死んでしまうのよ?そこの所をよく考えた上でもう一度答えを聞かせて」


「俺はやるよ」


「はぁー。わかったわ」レイシアはため息をすると茂雄の前に来た。


光矢(パファイルリフト)と同じ感覚で一つに集中させるのではなくて体全体を自分の魔力で包むような感じ。その魔力が強いほど肉体が強化されるわ。くれぐれも慎重にね」


レイシアは今まで見たことのないような険しい顔をしている。当たり前だ茂雄の加減一つで茂雄が死んでしまうのだから仕方ないだろう。

茂雄はレイシアに言われた通りにやってみた。


「魔力を体全体にか。こんな感じかな。光加護(プロテクト)!」


「だめ。その量の魔力で覆ったら死•••」レイシアの言葉を遮るかのように世界が明るくなった。いや違う多分世界が明るくなったのだはなく茂雄が明るくなったのだ。光が止むと周りは砂埃が舞地面が陥没していた。


「茂雄!」


レイシアの悲痛な叫びが聞こえた。なんでそんなに心配しているのだろう。茂雄はよくわからなかった。茂雄はレイシアの方走った。するとありえないスピードでレイシアを通り過ぎ塀にぶつかった。



「痛いっ•••」


「茂雄?えっどうしてあの量の魔力だ生きていられるはずがないのに」レイシアは顔を赤くして今にも泣き出しそうな顔でキョトンとしている。


「いやーよくわからんけど生きてたわ」

茂雄はケラケラと笑いながらレイシアを見た。


「そっか、よかった」レイシアは安心したのかいつもの喋り方とは異なった口調だった。


「それよりレイシア光加護(プロテクト)すごいな!」


「私は光加護(プロテクト)よりあなたに驚いているのだけど」レイシアは今までで一番良い笑顔をした。


「今日はこの辺で特訓を終わりにするわよ」


「おう」茂雄は元気よく返事を返した。


「ところで光加護(プロテクト)ってどうやって解除するんだ?」


そのあと数時間は光加護(プロテクト)は解けなかった。



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