ニガテな姉から感想が書かれました!
喜んでしまう話。
『創作するとか気持ち悪い』
と言ってくる人は、現実にはもういない。
13歳でプロ作家デビュー。
小説家になろうという投稿サイトで、賞に応募したら、運よく受賞した。
『すごくね? 僕、プロ作家だよ』
友達に自慢した。
『創作とかマジで痛いわ、草』
冗談だったのかもしれない。
けど、本心はそう思うから、そんな冗談を口にしたのだと思う。
それから、誰にも自慢せず。人気作家になっても、当然誰にも言わなかった。
『高校に行かないで専業作家か。才能はあるのか? 先生に作品を見せてみろ、見極めてやる』
なんて言ってきた教師は無視し、
『一緒に高校行こうぜ』
と言ってきた友達もどきも無視し、
16歳で田舎から都会へ。都会の方が仕事しやすいってAIは言ってたし。
心残りはない。うざい現実から脱出できたし、創作を現実でバカにする人もいない。
ただ、あえて言うなら、
2つ上の姉と仲直りできなかったこと、
かもしれない。
『若々しい作品、本当に若い』
「若いしか言えないのかよ」
『環境変わった? オレの環境も変わったんだが』
「いや、知らないし」
『今回も面白かったです』
「…デビューしたばかりだったら喜んだんだけどな」
もう、褒め言葉には慣れた。
今回も、良い感想の方が悪い感想よりも多い。7:3、くらいか。
「ま、環境変わっただけでバズる訳ないか」
スマホの画面を真っ暗にし、背筋をのばす。
『田舎から出たかった幽霊の女の子』
が、今回の作品。もちろん、ネット投稿じゃなく、長編の本。
僕は田舎から出たけど、田舎から出たいという気持ちが強かったし、作品にできるかなって思って。
あんまり、前の作品と評価の比率は変わらないけど。
田舎から都会へ。
どうなるかわからないけど、早く都会に慣れないとな。
ブ-ブ-!
スマホが震える。
メールか、Xか、わからないけどとりあえず再び画面を明るくする。
「姉から…?」
小学生だった頃にでも登録したのかな。今は仲良くないし、もう仲良くなることもないんだけど、小学校低学年のときは、それなりに仲良かったから。
真面目な姉、勉強と役員だけが生きがいの、僕には合わなかった人。僕は中1で受賞したから勉強なんてする気なかったし、生徒会にも興味はなかった。
「今さら何?」
メッセージを読む。
『主人公と違って都会に出たオマエは頑張って精一杯生きろ、ただ、文章に魅力がなかった』
「…ふふっ」
ニガテだった姉から来たメッセージ。
悪い評価は気に入らないけど、励ましの言葉に、つい喜んでしまった。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!




