14章 宇宙からの視線と、無効票の山
※GeminiProに書いてもらいました。
第14章:宇宙からの視線と、無効票の山
テキサスの広大な荒野にそびえ立つ、巨大な銀色のタワー。
「アイアンマスク」こと、鉄人ロボを彷彿とさせるその男は、
最上階の執務室で琥珀色の液体を揺らしていた。
彼の手元にあるタブレットには、
最近ネット上を騒がせている「エプ文書」のコピーが映し出されている。
そこには、かつてロリータ・エクスプレスと呼ばれた
不吉な航空機の乗客リストが含まれており、彼自身の名前も噂されていた。
「大衆というのは、常にスケープゴートを欲しがるものだ」
アイアンマスクは鼻で笑い、画面をスワイプして切り替えた。
彼の真の関心は、地上でのスキャンダルなどにはない。
現在、彼が心血を注いでいるのは、宇宙空間での「太陽光発電」と
「次世代データセンター」の融合プロジェクトだ。地上のエネルギー問題を解決し、
同時に全人類のデータを宇宙から統御する。
それが支配者層の一角に食い込むための、彼の最強のカードだった。
「さて、極東の実験場はどうなっている?」
彼はモニターに、日本の状況を映し出した。
日本列島は、狂気じみた選挙戦の真っ只中にあった。
時の総理大臣、高地位早成子による解散総選挙である。
彼女の姿を見ない日はない。
テレビをつければニュースに、スマホを開けばユーツベの広告に。
莫大な「機密費」から流用された広告費が、デジタルの海を埋め尽くしていた。
だが、真の恐怖は目に見える広告ではない。
「……私の名を書きなさい。高地位早成子と、書きなさい」
高地位は、首相官邸の地下深くにある瞑想室で、奇妙な姿勢をとっていた。
背筋をピンと伸ばして警戒する「鹿」のような強張りと、
獲物を前に舌なめずりをする「コモドドラゴン」の冷徹な捕食本能。
彼女の遺伝子に組み込まれた二つの獣の因子が、
支配者DSから供与された増幅装置と共鳴する。
彼女が強く念じると、不可視の波動が日本全土へ広がった。
ターゲットは、数回に及ぶワクチン接種によって体内に「ナノチップ」を
定着させた国民たちだ。
チップは脳の深層意識に干渉し、
高地位の命令を「自分自身の確固たる意志」だと誤認させる。
投票日当日。
各地の投票所には、うつろな目をした有権者たちが長蛇の列を作っていた。
彼らの頭の中には、ただ一つのフレーズだけが鳴り響いている。
『高地位早成子に投票せよ』
彼らは投票用紙を受け取ると、迷うことなく鉛筆を走らせた。
一枚目の「小選挙区」の用紙に、『高地位早成子』。
二枚目の「比例代表(政党名)」の用紙にも、『高地位早成子』。
洗脳の効果はあまりにも強すぎた。
思考能力を奪われた人々は、「政党名」を書くべき欄にも、
個人の名前を書いてしまったのだ。
その夜、開票所はパニックに陥っていた。
「おい、まただ! ここも『高地位早成子』だ!」
「こっちの箱もです! 全部、政党名じゃなくて名前が書いてあります!」
開票立会人たちが悲鳴を上げる。
ここは高地位が立候補している選挙区ではない。
北海道でも、沖縄でも、彼女が立候補していない地区の投票箱から、
大量の『高地位早成子』と書かれた票が出土していた。
「無効票だ……これも、これも全部無効票にするしかない!」
「しかし、数が多すぎます! 有効投票数の過半数が無効になってしまうぞ!」
選管の職員たちは頭を抱えた。
「高地位早成子」と書かれた比例票。
高地位が立候補していない選挙区での個人名票。
それは民主主義のシステムそのものをバグらせる、前代未聞の事態だった。
混乱する開票速報の裏で、世界を巻き込む新たな戦いが始まろうとしていた。
アイロンマンをアイアンマスクへ修正と関係個所を修正。




