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『異世界ダイナリー〜創造神に選ばれた僕は、婚約破棄された公爵令嬢リリスを全力で幸せにします〜』  作者: ゆう
第三章 揺らぎ出す王都と、ひとつの恋心

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3章46話「名が刻まれた、その先へ」

3章46話「名が刻まれた、その先へ」


学園正門前の広場は、朝の光に満ちていた。


昨夜までの熱狂が嘘のように静かだが、

中央に設えられた一枚の掲示板の前だけは、低いざわめきが絶えない。


――ランキング戦・最終結果。


ユウとリリスも、人垣の少し後ろで足を止めた。


「……出ましたね」


リリスが静かに言う。

声は落ち着いているが、視線は掲示板から逸れていない。


生徒たちが、次々と名を追っていく。


上位から順に、はっきりと刻まれていた。


第一位:ユウ・ヴァルロード

第二位:リリス・フォン・グレイハルト

第三位:――

第四位:――

第五位:――

第六位:ルカ

第七位:アルベルト王太子

第十位:セレスティア・アークロイド


名前が読まれるたび、空気が揺れる。


「……やっぱり、そうなるのね」

「ユウは別格だろ……」

「リリス様、剣だけじゃなく魔法も完璧だった……」

「ルカ、平民なのに六位って……」


評価も、驚きも、羨望も、

すべてが混ざった視線が二人に集まる。


だが――

ユウは、掲示板を長く見なかった。


「……二位だね」


リリスのほうを見る。


「はい」


短い返事。

だが、その横顔には不満も悔しさもない。


「悔しくない?」


「いいえ」


きっぱりと。


「私が欲しかったのは、一位ではありませんでしたから」


「……そう」


「ユウ様と、正面から戦えたこと。

 そして、その結果としてここに名前が並んだこと」


もう一度、掲示板を見る。


一位と二位。

上下ではなく、並びとして。


「それで十分です」


ユウは、ほんのわずかに口元を緩めた。


一方、少し離れた場所では。


「七位、か……」


アルベルトが自嘲気味に息を吐き、

セレスティアは十位の位置を見つめて唇を噛んでいる。


ルカは六位の文字を見て、

驚きと戸惑いが入り混じった顔で立ち尽くしていた。


それぞれが、それぞれの現実を受け取っていた。


「……これで、学園生活も一区切りですね」


リリスが言う。


「そうだね」


「次に剣を交える時は――」


「領地か、もっと大きな舞台だろう」


言葉は続かない。

だが、続きは互いに分かっている。


掲示板の前を離れ、正門へ向かう。


「ユウ様」


「うん?」


「一位、おめでとうございます」


「ありがとう。でも――」


少し間を置いて。


「君が相手じゃなかったら、

 あそこまで本気にはならなかった」


リリスは一瞬驚き、

そして、学園にいた頃のような、少しだけ素の笑顔を見せた。


「……でしたら、それは光栄です」


学園の門をくぐる。


ランキング戦は終わった。

結果も、評価も、すべて出揃った。


だが――

それは終着点ではない。


一位と二位。

その並びが示すのは、優劣ではなく。


これから、同じ場所に立つ二人の始まりだった。


ヴァルトニアへ。

築くための場所へ。


2人のあゆみはもう動き始めている。



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