表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幸せな一輪の造花  作者: ルーク
1/2

朽ちた花は造花に果てる

初めまして 。ルークと申します 。

早速ですがこちらの作品は 、私が幼い頃に考えた物語を編集したものとなっております 。

軽いミステリー作品となっております 。

是非考察も交えながらご愛読いただければ幸いです 。

残念ながら妹さんはお亡くなりに…」


そんな医師の残酷な言葉が俺の頭を貫く。

ちょうど先程 、入院していた妹が持病で他界した。

俺ら親族は病院に呼び出され 、冷たくなった妹を目の当たりにする。

天気は雨。湿度が高くジメジメしている空気の中の出来事だった。

あまりにも突然の出来事であった為まだ事実を受け止めきれない。

ただ「妹が死んだ」という医師から告げられた重い事実。

死因は持病 、小児脳腫瘍。

元々5年生存率が70パーセントだったらしい。

らしいと言うのは俺はこの事実を知らされていなかったから。

そう 、俺の大事な妹が『 持病持ちだった 』ことを 。



俺はその日家に帰って悲しむよりも怒りを感じた。

親に 、医者に 、どうして妹のことを教えてくれなかったのかと。

耐えきれなくなってついには親に怒鳴った。

どうして持病のことを教えてくれなかった 、知っていたら何かしてあげられた 、後悔もしなかった 、なのにどうして… 最後にはそう呟くような掠れた声で想いを口にすると 、親は衝撃的な事実を口にした。


実を言うとこんな持病だったことを知らされたのは 、ほんの数週間前だった


最初は俺だって疑っていた。そんな訳がない 、今の時代の医者がそんなことをする訳がない。

俺はそう言って何度も言った。けれど …… 親は真面目な顔をして言った。


「 救えるなら救いたかった … 何かしてやりたかった … 」


俺はもう 、それを信じるしかなかった。




その日の夜。ちょうど日付が変わるか変わらないかぐらい。

俺はずっとベッドの上で蹲っていた。

窓の外でなり続ける雨音。目元がグシャグシャになったシーツ。

妹が入院していること自体はもちろん知っていた。

過去に何が原因で入院したかを尋ねた際に 、確か親は風邪が悪化したと言っていた気がする。

恨むべきは医者だ。妹の担当医。文月心先生。

妹の見舞いに行くたびに「ここ先生がね…」と口にしていた光景が頭の中で蘇る。


「 絶対に許せない… 」


許さないのではない 、許せなかった。

俺はノートパソコンを起動させると 、妹の通っていた病院に予約を入れた。

入院している患者はさほど多くないが 、入院できるスペースがあるぐらいには大きい病院だ。

なんといって予約を入れようか迷ったが 、俺は結局仮病を使った。

妹の持病 、小児脳腫瘍の症状 、激しい頭痛や痙攣のような症状が見られる。

ということで予約を 、1週間後の16日に入れた。

勿論 、担当医は文月心を指定した。



これが俺の人生最大の出来事である 『 復讐劇 』 になっていく


そんなこと承知の上だった 。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ