朽ちた花は造花に果てる
初めまして 。ルークと申します 。
早速ですがこちらの作品は 、私が幼い頃に考えた物語を編集したものとなっております 。
軽いミステリー作品となっております 。
是非考察も交えながらご愛読いただければ幸いです 。
残念ながら妹さんはお亡くなりに…」
そんな医師の残酷な言葉が俺の頭を貫く。
ちょうど先程 、入院していた妹が持病で他界した。
俺ら親族は病院に呼び出され 、冷たくなった妹を目の当たりにする。
天気は雨。湿度が高くジメジメしている空気の中の出来事だった。
あまりにも突然の出来事であった為まだ事実を受け止めきれない。
ただ「妹が死んだ」という医師から告げられた重い事実。
死因は持病 、小児脳腫瘍。
元々5年生存率が70パーセントだったらしい。
らしいと言うのは俺はこの事実を知らされていなかったから。
そう 、俺の大事な妹が『 持病持ちだった 』ことを 。
俺はその日家に帰って悲しむよりも怒りを感じた。
親に 、医者に 、どうして妹のことを教えてくれなかったのかと。
耐えきれなくなってついには親に怒鳴った。
どうして持病のことを教えてくれなかった 、知っていたら何かしてあげられた 、後悔もしなかった 、なのにどうして… 最後にはそう呟くような掠れた声で想いを口にすると 、親は衝撃的な事実を口にした。
実を言うとこんな持病だったことを知らされたのは 、ほんの数週間前だった
最初は俺だって疑っていた。そんな訳がない 、今の時代の医者がそんなことをする訳がない。
俺はそう言って何度も言った。けれど …… 親は真面目な顔をして言った。
「 救えるなら救いたかった … 何かしてやりたかった … 」
俺はもう 、それを信じるしかなかった。
その日の夜。ちょうど日付が変わるか変わらないかぐらい。
俺はずっとベッドの上で蹲っていた。
窓の外でなり続ける雨音。目元がグシャグシャになったシーツ。
妹が入院していること自体はもちろん知っていた。
過去に何が原因で入院したかを尋ねた際に 、確か親は風邪が悪化したと言っていた気がする。
恨むべきは医者だ。妹の担当医。文月心先生。
妹の見舞いに行くたびに「ここ先生がね…」と口にしていた光景が頭の中で蘇る。
「 絶対に許せない… 」
許さないのではない 、許せなかった。
俺はノートパソコンを起動させると 、妹の通っていた病院に予約を入れた。
入院している患者はさほど多くないが 、入院できるスペースがあるぐらいには大きい病院だ。
なんといって予約を入れようか迷ったが 、俺は結局仮病を使った。
妹の持病 、小児脳腫瘍の症状 、激しい頭痛や痙攣のような症状が見られる。
ということで予約を 、1週間後の16日に入れた。
勿論 、担当医は文月心を指定した。
これが俺の人生最大の出来事である 『 復讐劇 』 になっていく
そんなこと承知の上だった 。