もう一つの国
一度王国に戻ることになったフランは、扉の前にいき紋章にネックレスを
近づけ扉を開けました。
やはり扉は開きました。
智美は思わず言った。
「本当に開くのね。」
「それでは行ってまいります。」
フランが言うと智美は少し寂しそうに言った。
「気をつけて行ってきてください。帰りを待っています。」
階段をおりていくと人間界につながる扉はゆっくりと閉まっていった。
フランもさみしい気持ちを抑え階段をおりていった。
やはり階段をおりている間に体に違和感を感じました。
――もしかして今度は体が小さくなるのかしら?
ぎーっ!
扉をあけるとそこは王国でした。
戻ってきました。
やはり体は小さくなっているようです。
フランはさっそく王様と女王のところにいきました。
「おう!フラン戻ったか?」
「はい、ただいま戻りました。」
「人間界はどうだ、フラン。」
「はい。驚くことばかりでとても刺激的でございます。」
王様は、感情的にこたえた。
「フラン!何をしに人間界にいったのか忘れたのか?そんなことだろうと
呼び戻したのだ。」
「申し訳ございません。たしかにわたくし人間界で驚きや感激が多すぎて
任務を忘れていたかもしれません。」
フランは驚きこたえた。
「フランよ、早急に結婚相手を見つけて王国につれてくるのだ。
忘れるでないぞ。」
「はい!わかりました。」
「フランにもう一つ伝えることがあるのだ。それは、わが小人王国のほかに
800km西南西にいったところにもう一つ小人王国があるらしいのだ。
パトラに乗って偵察にいってきてほしいのだ。」
王国から出ることはなかなかできません。
どんな危ないことが起きるかわからないのでみんな王国から出たことが
ないのです。
今回は異例な任務です。
「はい、わかりました。」
「だが、フラン一人では危ないのでダニエルとシオンも一緒にいってくれる
ことになっている。」
「ダニエルとシオンも一緒なら心強いわ。」
「気を付けていってくるのだ。たのんだぞ。」
「はい、お任せください。いってまいります。」
フランはダニエルとシオンと合流しパトラに乗って西南西に向かった。
800kmだとおよそ2日はかかるだろう。途中休憩しながら進んだ。
「ダニエルとシオン大丈夫?そろそろ王国があれば見えてくるはず。
よく見ていてね。」
「わかってるよ。」
2人はまだまだ元気だ。
「フラン!あそこ見て!」
シオンが叫んだ。
【もう一つの小人王国発見!!】
3人は近づいて降りてみた。
門からお城までつながる道があったので歩いていった。
だれかでてきた。
「えっ!だれ?わーわたしたちと同じ小人族だー!」
とてもうれしそうに叫んだ。
次から次へとみんな出てきた。
3人もうれしくなった。
嬉しい気持ちをみんなで分かち合いたかったが気持ちを抑え、まずは国王に
挨拶をとフランは思った。
「とりあえず、国王に会います。」
フランはいった。
3人はお城に案内された。
「よくきてくれました。わたしはこの国の国王である。こちらが女王。
あと息子がいるが今は修行にでている。」
「わたくしはここから800km東北東にある国の王女フランと申します。
このたびわたくしたちの国以外にもう一つ小人王国があるという、うわさ
を聞き確認しにまいりました。本当にとてもうれしゅうございます。」
「もう一つ国があるとはなんとうれしいことだろう。」
王様も女王も泣いて喜んだ。
それから、この国のことそしてフランの国のことを話しお互いの伝書つばめ
を使って、助け合うことになった。
「それでは、こちらの国のことは戻りしだいわたくしどもの国王にかならず
お伝えいたします。」
フランとダニエルとシオンはそれぞれのつばめに乗り飛び立っていった。
そしてこれからお互いに助け合っていけることにとても喜んでいました。
「フラン、ダニエル、シオン!本当によくやってくれた。
今日はゆっくりしていくがいい。」
「はい。お言葉に甘えてそうさせていただきます国王!」
ダニエルとシオンは声を合わせていった。
フランは自分の部屋に二人を招いた。
「久しぶりに夜通しお話しましょう。」
「そうだな。人間界の話も聞きたいし、そうしよう。」
フランは久しぶりに二人と話ができて楽しかった。
唯一この二人とだけ気楽に話ができるのだ。
3人は疲れているのに夜通し話をして寝ることを忘れていた。
このネックレスは【桃】という漢字をモチーフに描きました。