新年度、知らなくても恥ではないが役に立つ?
ごきげんよう!! ひだまりのねこですにゃあ!!
さて新学年や新入学、新社会人のみなさまを見ていて、ふと思いついたので書いておきますね。
今日は新年度によく使う「オリエンテーション」のお話。
◇◇◇
この時期、様々な場面で行われるであろうオリエンテーションやガイダンス。
どちらも説明会のようなニュアンスで使われているが、違いがわかるだろうか?
オリエンテーションはある程度知識を持っている人が対象。あくまで動機づけや方向づけがメインであって、感情や考え方に焦点をあてたもの。
ガイダンスは全く知識を持たない人向けに知識や技術を説明することに焦点をあてられているという違いがあると覚えておくとよい。
覚えたからといって役立つ場面は……まずないが。
本題に入ろう。
ところでこのオリエンテーション、語源はラテン語の「オリエンス」から派生した言葉で、「日の昇るところ」つまり東方をさす言葉なのだが……。
なぜ本来方位でしかなかった言葉に、動機づけや方向づけ、さらには環境への適応指導や説明会という意味があるのか考えてみたい。
ローマカトリックや東方正教会系教会の多くは、可能限り祭壇が東向きになるように建設されていることをご存知だろうか?
これはキリスト教の母体であるユダヤ教、つまり旧約聖書に良きものは東からやってくると書かれていること、キリスト教とユダヤ教の聖地エルサレムが東にあるからといわれている。人類発祥の地、エデンの園も東だ。
キリスト教以前にヨーロッパ各地で信仰されていたミトラ教の太陽信仰を取り入れる際に都合が良かったこともあったと思われる。
これは後付けではあるが、キリストが復活したのが夜明けごろであったといわれているため、朝日と共に復活を果たしたという神々しいイメージにもぴったりである。
つまり、東を向くという行為は、
正しい方向を向く → 方向を正すことで導かれる → 新たな動機を得て方向が定まる
正しい方向を指し示す、定める → 環境への適応指導 説明する
というような意味になったと思われる。
もちろん英語限定の話でなく、フランス語の orienter、ドイツ語の orientieren という動詞にも同じような意味があり、語源は同じだ。
一方で、東洋には「指南する」というこれまた方位が関係する似た意味の言葉がある。
古代中国では、世界の中心が北極星であると考えられていたため、北に座した皇帝(上位の人間)は当然「指南する」わけで、転じて指導する、教え導くということになった。
ちなみに、スペインやポルトガル語圏で、北へ進ませるという意味を持つ、Nortearという動詞も、導くという意味を持つ。これは北極星が良い方向へ導いてくれるという伝承から転じたものだと聞く。
だから何? そんなことを知って何の役に立つの? と言われたら返す言葉もないが、とりあえず困ったら、東から昇る太陽か、夜空に変わらず輝き続ける北極星に祈っておけということだ。
ありがたいお導きやひらめきがあるかもしれないぞ。グッドラック!!
◇◇◇
うにゃんっ!? 全然役に立たないじゃないかって?
まずいのです……怒り狂った数人の読者さまが、私の作者マイページに乱入してきたのです!!
はい、この場合、『乱入』は誤用です。少人数には使えません。大勢の時だけですね。正しくは闖入、もしくは侵入を使うのです!!
……新入生だけに。にゃふふ。
ふぎゃああああ!!? 毛を毟ったら駄目なのです~!!