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煌鋒の勇者  作者: サケ/坂石遊作
一章『覚醒』
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剣無しのアジナ(4)

 王都ベルエナは、ジルヴァーニ王国の中でも比較的治安が良好である……と、思われがちだが、実際はそうではない。突出して無法者どもが巣食っているわけではないが、王都の複雑な地形は、彼らのような狡猾な者には絶好の地の利となるのも事実である。

 加えて、守りが堅牢であればある程、その先にあるのは一際高価なものであるというお決まりは共通だ。貴族たちも度々観光に訪れるここには、露店や公共施設に値の張る代物が置いてあることも多く、それを狙ってやって来る輩がいる。


 しかし、ベルエナが王国随一の華やかさを誇るのは、何も街の景観や流通する商品の質だけではない。それはあくまで、「活気」の副次的な効果だ。

 世の中には、「活気」そのものを我が物にせんと企む悪漢も存在する。


「きゃっ!?」


 例えば、王都の名に恥じぬくらい見目麗しい乙女。

 悪漢である彼らは、それを標的に街を彷徨いていた。


「手間かけさせやがって」


 自らが壁に打ち付けた黒髪の少女を睨み、男は腕を擦る。手の甲からは血が垂れているが、小さな切り傷だ。男にとって、気にする程の怪我ではない。

 そこには、二人の少女がいた。どちらも小柄な体躯で、争い事には相応しくない外見だ。

 そんな彼女たちを前に、情欲を掻き立てる男が二人。

 二人の少女とは対照的に、彼らは武器こそ所持していないが、いかにも物騒な気配を漂わせていた。腕や足を見せびらかすような格好で、人目を憚らない派手な柄が描かれている。ブレスレットやピアスなど、装飾品も多種、身につけていた。


「俺ら、こう見えても腕に覚えがあるんだよね」

「そうそう。その辺のゴロツキと一緒にされちゃあ困るぜ」


 ケラケラと、二人の男が下卑た笑みを浮かべている。その内の一人が、まるでいたぶるように、ゆっくりと黒髪の少女に歩み寄った。


「来ないで!」


 躙り寄る男に、少女は叫び声を上げる。

 肩に届くか届かないか程度の短い黒髪に、小柄な体躯。男たちとは大人と子供くらいの体型の差があるが、それでも抵抗は続けていた。片腕に抱いたスケッチブックを落とさないよう、少女は蹲りながら男を睥睨する。


「あーあー、うるせぇよ」


 鼻ピアスの男が苛立ちを露わに、少女を強引に自身へと引き寄せた。


「な、何が目的なのよ、あんたたち!」

「さぁね。そりゃあ、後から幾らでも教えてあげるけどさ。当面の目的は――」


 少女の肩を掴みながら、男は顔を横に向ける。


「そこのお嬢ちゃんが怖いから、ちょっと大人しくしてくれないかな」

「……っ」


 その少女は腰にまで届く銀の髪を揺らし、攻撃的な目で男たちを睨んでいた。

 余裕綽々な様子で近づいて来る二人の男を、少女の赤紫の瞳が見据える。そこには一寸の怯えもない。眼前の男に、彼女は明確な敵意を向けていた。


 だが、友人である黒髪の少女を人質に取られることで、漸く焦燥を露わにした。

 腕に覚えがある、という男の発言は、伊達ではないのかもしれない。少なくとも、男たちは知っていた。この街の住人は、平々凡々とした者もいれば、そうでない者もいる。後者はこういった状況下でも、鋭い牙を剥くことがあるのだ。

 だからこそ、獲物は子供に限る。危機管理能力の欠けている年頃の獲物ならば、容易に先手を打つことができるからだ。実際に今回もそうだった。男たちは、最初は道に迷った観光客を装い、黒髪の少女はそれをあっさりと信じてしまったのだ。路地裏の奥地というややこしい場所も相まって、悪漢どもの作戦は見事に成功してしまった。


「へへっ、結構上玉じゃねぇか」


 男たちの獲物である二人の少女は、世間一般で言う「美少女」の類であった。

 身に纏う服装こそ王都ならばどこでも見かけるようなものだが、衣服では誤魔化しきれない品格というものが漂っている。目鼻立ちはどちらも丹精で、特に銀髪の少女に至っては、既に絶世とも言える容姿を誇っていた。


「なんだお前、こういうの趣味だっけ」

「案外良いものだぜ。新鮮な感じがして」

「悪い奴だなぁ。んじゃ、俺こっちの娘で」

「なら俺は、こっちの黒髪を貰うぜ」


 鼻ピアスの男と、モヒカンの男が、下卑た笑みを浮かべながら話す。その会話を傍で聞いていた黒髪の少女は、恐怖のあまり、頬を青白く染めた。


「……ユリス、大丈夫よ」

「でも、サイカ……」

「心配しないで。最悪、私がどうにか……」


 銀髪の少女、サイカは小さく呼気を発し、己に覚悟を宿らせた。黒髪の、ユリスと呼ばれた少女はその言葉に顔を固くする。そして悔しさのあまり、唇を噛んだ。

 だが、男たちは先程から変わらず笑っている。


「てかさ、さっきから気になってたんだけど。それ何?」

「あっ!?」


 鼻ピアスの男が、ユリスのスケッチブックを強引に奪い取った。

 片方の腕でユリスを抑え、もう片方の手でページを捲る。粗雑な扱いを受けるスケッチブックは、瞬く間に皺だらけになった。


「おぉ、中々巧いじゃねぇか。画家志望か?」


 素人目から見てもわかる精巧な絵に、男はこの場にそぐわない態度で感嘆した。

 真っ白な紙に描かれる絵の一枚一枚を、呑気に眺める。その視界の片隅に、持ち主の悔しげな表情を収めていると一層魅力が引き立つような気がした。


「あぁん?」


 乱暴に捲られていくスケッチブックの、あるページを見た瞬間、男が顔を顰める。

 元より男の声など聞いていないユリスは、再三スケッチブックを取り返そうとした。しかしその際に、自然と開かれたページに目が行ってしまい――表情を、一転させる。


「何だこの、気持ち悪い絵は?」


 その言葉に反応したのは、ユリスではなく、少し離れた所にいたサイカだった。


「あ――」


 意図的ではないにしろ。男の一言が、サイカの心を抉った。

 まるで糸の切れた人形のように、サイカは抵抗を止める。白磁のような美しい頬は青褪め、全身を震わせながら、頭を伏せた。

 先程までの気丈な振る舞いはもうない。


「お、前――ッ!」


 ユリスの抵抗が一層激しくなる。鼻ピアスの男は彼女を両手で抑えつけ、スケッチブックを他の二人にも渡す。


「形からして、武器……剣か? にしても醜悪だな」


 禍々しい。気味が悪い。男たちは、この絵に対して否定的な感想を口々に漏らす。傍にいる鼻ピアスの男は、ユリスを抑えつけながら頷いて同意した。


「私は……」

「あん?」


 柄悪く反応する男に、ユリスは微塵も怯えなかった。

 サイカが塞ぎこんでから、ユリスは怯えを上回る憤慨を感じている。彼女は瞳を涙で潤わせながらも、その小さな体躯からは想像できない程の声量で男に怒鳴った。


「私はそれを、美しいと、綺麗なものだと思って描いたのよ! あんた達に……何も知らないあんた達に、とやかく言われる筋合いはない!」


 ユリスにとって、その絵だけは侮辱されたくなかった。

 他の絵はいい。だが、それは駄目だ。その絵は、自分の誇りそのものなのだから。

 路地裏に怒号を響かせ、感情をぶち撒ける。悲鳴とはかけ離れた、聞く者の鼓膜を揺るがせる声を、ユリスは喉から絞り出した。

 蹲る友人を見て、眼前の男に殺意を抱く。


「そうだなぁ。確かに、俺たち何も知らないからさ……よければ教えてくれる? 何からナニまで、隅々と?」


 モヒカンの男が、下衆な態度でサイカに近づいて言った。

 男が少女の、真っ白な顔に触れようとする。

 だが、次の瞬間――。


「せィ――ッ!!」

「ごあッ!?」


 モヒカン男の頭蓋を、激しい衝撃が突き抜けた。

 突如訪れた痛覚に、男は呻き声を上げて床に転がる。何か、硬い物を打ち付けられたような感覚だ。男は壁に手をやり、どうにか起き上がって、状況を確認する。

 いつの間にか、そこには一人の少年がいた。

 灰色の髪は所々が跳ねており、見れば衣服も乱れている。ここに来るまで急いでいたのだろう。その顔には汗が浮かんでいた。

 そしてその少年は、鞘に収まる剣を斜めに構えていた。


「てめぇ……!!」


 その剣で頭を殴られたのは、明白だった。モヒカン男は、三半規管を刺激され、うまくバランスが取れないながらも少年を睨む。


「上等じゃねぇか。ぶっ殺してや――」

「煩い」


 額に青筋を立てる男の発言を、少年は遮った。


「二人から、離れろ」


 妙な気迫を持つ少年だった。

 言い返すよりも、拳を振るうよりも先に、男は目の前の少年を視る。

 確かに剣を構えているが、それは別段、問題ではない。王都だろうが、どこの国だろうが、自分の身を護るのは自分の役目だ。武器の所持は想定の範囲内である。

 見てくれも、決して特徴的ではなかった。寧ろ、こんな物騒な場面に堂々と立ち入って来た割には、背丈は平均的で、やや線の細い体型である。お世辞にも筋肉がついているようには見えない。どこか弱々しい少年。そう評するのが相応しいだろう。


「なんだよ、ただの餓鬼じゃねぇか」


 男は冷静に状況を分析して、その結果を口にする。

 そこで、ふと、自分が冷や汗を垂らしていることに気がついた。そして自覚する。どうやら、少し前の自分は、この少年に気圧されていたらしい。

 得体の知れない違和感に、男は思わず、後方の仲間に目をやる。

 鼻ピアスの男は、ユリスの肩を掴む傍ら、少年を見るなり硬直していた。


「お、おい。何固まってんだよ」

「いや、だって、お前……」


 狼狽する鼻ピアスの男は、アジナの姿を見据えて、仲間の問いに答えた。


「……そいつ、勇者だぞ」


 王都に馴染みのある者にとって、勇者養成学校ゼリアスの名を知らない者はいない。少年が身に纏うその衣服は、紛うこと無くゼリアスの学生服だった。


「や、べ――」


 今になって、モヒカンの男も気づく。

 気迫があるのも当然だ。この少年は、ただの人間とは違う。かつて魔王を滅ぼしたという伝説の英雄、初代勇者の血を継いている者なのだから。

 万事に秀でる才を持つ勇者を相手に、真正面から立ち向かうなど蛮行も良い所。勇者と喧嘩できるのは勇者だけだ。多少腕に覚えのある程度の者が、挑むべき相手ではない。

 なにより勇者には――特別な『力』がある。


「くそっ、運が悪い!」

「ずらかるぞっ!」


 ただの通行人ならば問題なかった。けれど、勇者は駄目だ。勝てる見込みがない。

 二人の悪漢は瞬く間に逃亡した。最後に、未練がましい視線で少女たちを一瞥する。慌ただしい足音と、舞い上がった埃。それらが消えた頃、少年は小さく息を吐いた。


「……ふぅ」


 構えていた剣を下ろし、少年は警戒を解いた。

 次に、少年は周囲を見渡す。黒髪の少女と、銀髪の少女を、軽く目視した。どちらも身体に怪我は負っていない。少年は、本格的に気を緩めた。


「ええと、二人とも大丈夫?」

「え、あ、はい!」


 返事をしたのは、黒髪の少女ユリス。サイカは、何やら呆然としている。


「その、助けて頂いて、ありがとうございます」

「そんなに畏まらなくても……でもまぁ、無事で良かった」


 そう言いながら、少年はふと足元を見た。

 見ればそこには一冊のスケッチブックが置いている。持ち主は二人の少女のどちらかだろう。少年は純粋な親切心でスケッチブックを拾った。


「これは……?」


 ユリスが小さく「あっ」と声を漏らすが、時既に遅し。

 身を屈めた少年は、そのままスケッチブックの開かれていたページを眺める。

 そこには、男たちに散々侮辱された一つの絵が、描かれていた。


「これは……剣、かな?」


 どんなものであれ、品を持つ代物を被写体にする画家は多い。

 置物、景色、或いは人物。いずれも被写体に成り得る条件は、絵として描くに値する価値があるということだ。思い入れなどを考慮すれば基準は人によって違ってくるが、世にある多数の絵画はそういった個々の感情を抜きにしても見物客に認められるよう、なるべく万人が価値を認めやすいものを題材としている。

 ともすれば、少年の覗くその絵は歪だった。

 黒々と、禍々しさすら感じさせる。加えてその武器は本来有り得ないような姿をしており、非現実的な感性が一層歪みを引き立てる。しかしどういうわけか、その絵は非常に繊細に描き込まれており、見ているだけで絵師の気迫が伝わるような傑作だった。その丁寧さは、被写体の造形を誇らしく思う絵師の心情を表わしているようだ。


「もしかしてこれ、聖剣……?」


 少年の、心ここにあらずの呟きを聞いて、ユリスが驚きに息を呑む。

 その絵を見て僅かばかりの少年が、よもや言い当てるとは全く予想していなかった。思わず誇らしげに返事をしてしまいそうになるが、先程の悪漢とのやり取りを思い出す。


「だったら、何?」


 どうせ、この男も口汚く罵るに違いない。

 拳を握り締め、怒りと不安に震えるユリス。その背後では、怯えた様子のサイカが少年を見ていた。


「ああ、やっぱり。どうりで綺麗だと思った」


 その答えは、ユリスとサイカの脳を停止させる程、予想外なものだった。

 ユリスは十数秒遅れて「へ?」と間抜けな声で反応し、サイカも瞳孔を開いて少年を凝視する。……今、この少年は何と言ったのか。


「図鑑には載ってなかったし、どの系統とも似通ってない。特にこの、反りのある片刃の形状。こんなの見たことない……新種かな」


 ブツブツと言う少年に、二人の少女は硬直していた。

 ああでもない、こうでもない。実に興味深そうに少年はスケッチブックを凝視する。


「……あ。ご、ごめん! これ返すよ!」


 我に返った少年が、スケッチブックをユリスに返す。

 呆然としたユリスは、どうにか我に返る。しかし、口から出た言葉は、恐ろしく単純な疑問だった。


「聖剣、好きなの?」

「あー……いや、まぁ、その。好きというか、憧れているというか。……ちょっと、事情があってね。過去に色々と調べたことがあるんだ」


 どこか困ったように返す少年に、ユリスも詮索はできなかった。

 気を取り直した少年は、顔を上げ、二人の少女に言う。


「念のため、表通りに出るまで案内するよ」


 その真意が案内ではなく護衛にあることを、ユリスはいち早く察した。


「じゃあ、お言葉に甘えて……」


 頷きながら、ユリスが言う。

 そして、彼女は隣で硬直する友人に目を向けた。


「ほら、サイカも!」

「え、ぁ……」


 ユリスが声と共に手招きすることで、サイカは漸く身体を動かした。どこか態度がぎこちない。少年もそれに気づいた様子だったが、態々触れることはなかった。

 しかし、サイカの表情に恐怖は浮かんでいなかった。

 呆然としていると言うよりも、彼女は恍惚としている。両頬は薄っすらと紅潮し、その視線はチラチラと、二人を先導する少年の背中へと向いていた。まるで、白馬の王子様に救われたヒロインのような表情で、サイカは路地裏を歩いていた。先程の、剣呑とした雰囲気は嘘のように消えている。隣のユリスはそれに気づき、隠れて笑みを浮かべていた。


「それじゃあ、僕はこれで」


 その声に、少年しか映さなかったサイカの視野が広がる。

 いつの間にか、表通りに着いていた。サイカはまず、その事実を飲み込み、そして次に少年の言葉を思い出し、足を止める。


「あ、あの!」

「ん?」


 咄嗟に言葉を発すが、続きが思い浮かばない。

 振り向く少年の顔を直視することなく、サイカは途切れ途切れに声を紡いだ。


「その……ありがとう、ございました……」


 消え入りそうな声で告げるサイカに、少年は無言で微笑みかけた。

 少年の姿が遠ざかるにつれ、周囲の光景は日常のものとなる。しかし、喧騒だけは聞こえない。サイカの耳には、自らの鼓動の音ばかりが響いていた。


「もぉー!! サイカったら、もーっ!!」

「ひゃっ!?」


 唐突に、隣でユリスが騒ぎ出した。

 満面の笑みで、彼女はサイカの頭を撫でる。サイカから見ればまるで赤子のような様相だが、対照的にユリスの行動は、まるでペットを愛でるようなものだった。


「あーもう、サイカは可愛いなぁ~」

「ちょ、ちょっと、ユリス? い、いきなりなによ?」

「あ、誤魔化すんだー?」


 にひひっ、と無垢な笑顔を浮かべるユリスに、サイカは苦虫を噛み潰したような顔をした。実際のところ、何を問われているかは理解している。だからこそ言い返せない。

 サイカは少し前の出来事を思い出す。

 悪漢に襲われたことではない。衝撃的だったのは、寧ろその後のことだ。


「顔真っ赤にしちゃって。いつもは仏頂面なのに」

「……うるさいわね」


 口を尖らせるサイカが可愛かったのか、ユリスは再びサイカを撫でた。身長的にはユリスの方が低い。こんな子供らしい少女に子供扱いされていることに、サイカは羞恥を覚えた。最も、サイカも同世代では相当、背が低い方だ。五十歩百歩である。


「あの人。サイカのこと、綺麗だって言ってたね」

「べ、別に、私のことじゃ……」

「でも、そういうものなんでしょ? 勇者と聖剣って」

「…………まぁ」

「私も綺麗だと思うよ」

「……もう」


 火でも吹き出す勢いで顔を紅潮させるサイカに、ユリスは笑いを堪えた。

 ああ、人の春とは唐突に来るものだなぁ、なんて呑気に考えながら、ユリスは優しく笑む。


「ねぇ、サイカ。あの人、勇者なんだよね」

「……ええ」


 立ち止まる二人は、少年が去った方へ目を向けた。そこにはもう、彼の姿はない。露店に並ぶ少年少女と、散歩を楽しむ老夫婦がいるだけだった。

 二人はその先を見ていた。王城の真横に座す、巨大な学び舎を。


「ということは、いつでも会いにいけるんだよね?」

「……ええ」


 言葉は同じ。

 けれど二回目のサイカの返答は、僅かに力強かった。


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