#03 愛17歳の挫折
高校に約1年通ってきたが中退することに決めた。
理由は学校に飽きてしまったからだ。
私は同じことの繰り返しが苦手なのだ。
そんな私に仕事なんて無理だと言う人がいるだろう。
でも全然大丈夫だ。
学校と仕事の違いはお金。
お金が貰えれば頑張れるのだ。
私は高校をやめてすぐにハンバーガー屋のアルバイトを始めることに決めた。
理由はハンバーガー屋が家から近いからだ。
私は肉があまり好きではない。
そんな人にハンバーガー屋のまかないが食べられるのかと思う人がいるだろう。
でも全然大丈夫だ。
フィッシュバーガーは魚。
まかないをフィッシュバーガーにして貰えばいいのだ。
無事に採用されて働き始めたが問題が発生した。
それは笑顔が出来ないこと。
笑顔が出来ないと働くことが出来ないのだ。
「難しいことではないと思うんだけどね」
「そうですよね」
昔から全然笑うことが出来なかった。
でも仕事に差し支えるとは思っていなかった。
「この店はスマイルが売りだからさ」
そう言われたって無理なのだ。
いくら笑おうとしても怒った顔になってしまう。
「そんな顔で接客したらお客さんが減っちゃうよ」
どうすることも出来ないので悲しくなった。
「辞めてもらうしかないよ」
私は少ししか働いていないのにクビになってしまった。
肩を落として家に帰り携帯を見るとメールが届いていた。
件名は『心です』と書かれていた。
メールは過去に何回も告白してきた同級生の心くんからだった。
好きではないと伝えたのにしつこい男である。
本文にはこう書かれていた。
『ごきげんよう。僕は愛ちゃんに何回も告白した気持ち悪い男です。
でも決してストーカーではありません。
後をつけたことはありませんからね。
ちなみに後をつけようと思ったことはあります。
今、メールを送りましたが何で僕が愛ちゃんのメルアドを知っているのかは聞かないでください。
もう一度書きますが決してストーカーではありません。
今日は告白するためにメールしたのではありません。
僕は愛ちゃんに怒っていることがあります。
それは学校を辞めてしまったことです。
相談してくれても良かったと思うのですが。
少し経ってから辞めたことを知りました。
どうして辞めてしまったのですか?
僕の努力を返して下さい。
寝ないで頑張ったのに少ししか一緒にいることが出来なかったじゃないですか。
もっと一緒にいたかったです。
最後に愛ちゃんを応援したいと思います。
僕は愛ちゃんのクールなところが好きです。
笑ったら愛ちゃんらしくなくなってしまいます。
これからも愛ちゃんらしく生きていってください。
がんばれ!愛ちゃん』
私は心くんの言葉で立ち直ることが出来た。
でも気持ち悪いのでメルアドをすぐに変えた。
メルアドをすぐ変えるのも私らしいだろう。
いや、普通はすぐ変えるものだ。