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プラス17  作者: teruteru
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第5話 出会い

いざ、中に入ってみると、想像と全然違っていた。

全体が木のぬくもりで包まれてて、ブラウンで統一されたレトロな内装に、妙な安心感が沸いてくる。

すると、カウンターの置くから「いらっしゃいませ〜。」と声が聞こえた。

その人のことを見たとき、ドキっとしてしまった。

背中あたりまである長くてサラサラした髪。鼻筋がはっきりしていて、少し薄めの唇。

そしてパッチリしていて、少しつり上がっている力強い目で、僕たちのことを見た。

「あら、高校生なんて珍しいわね。さぁ好きなとこに座って。」

思わず僕らは、「ハイっ」と言ってしまった。

カウンターから離れ、一番奥の席に座った。

「注文決まったら言ってね。」

と言われ、慌てることもないのに、メニュー表の一番上にあるものを言った。

「か、カルボナーラでお願いします!」と僕が言ったら、浩志と将も同じものを頼んだ。

「はい♪カルボナーラ3つね。珈琲は食前と食後どっちにします?」

「え〜っと、食後で。」2人ともまた合わせてきた。

「はい♪少々お待ちくださいね。」と言って、カウンターに戻った。

普段、喫茶店なんて行かない僕らにとって、何か少し大人になった気分だった。

「やばい!綺麗すぎ。」

「大人の女って感じだよな。」と、浩志と将が盛り上がってる。

そのとき僕は彼女のことを、横目でちらちらと見ていた。

華奢な体にエプロン姿の彼女・・・


「はい、お待たせしました。」

三つの皿が置かれ、僕らは一斉に食べた。

「あっ!うまい♪」

「『KILL TIME』なんて店だから、どんなのが出るかと思ったよ。」浩志が失礼なことを言う。

「おい!何言ってんだよ!」僕は浩志に注意する。

すると女性が近づいてきて、「ふふっ♪『KILL TIME』ってね、『暇つぶし』って意味なのよ。暇つぶしにこの店でも来てね、っていうことで私のおじいさんが名づけたの。」と教えてくれた。

「あっ、そうなんですか。てっきりグロいものが出てくるかと。」と恥ずかしそうに浩志が言った。

食後の珈琲もおいしかった。サイフォンという器具を使って、丁寧にひとつひとつ煎れた珈琲は深くほろ苦い味で市販のコーヒーとは格別だった。

珈琲を飲んでるとき、将がこんな提案を出した。

「じゃんけんで負けたやつが、支払いのとき、あの人の名前と年齢聞こうぜ。」

「お〜!いいね。乗った。恋ノ介もいいよな?」と浩志。

正直あの人に興味がある僕は、嫌そうな雰囲気を出したが、内心はもちろんOKだった。

「じゃんけん・・・ぽん!」浩志と将がパー、僕がグー。

「はい、決定〜♪」

「絶対聞けよ、恋ノ介!」

「わかったよ・・・。」

レジに向かい、会計を済ませた。もちろん今日は約束通り、浩志が払ってくれた。

「ありがとうございました♪」と言ったのに、帰らない僕たちを見て

「どうしたの?」と女性が聞いてきた。

背中をゴツっと叩いて急かす二人。

「あの、名前教えてくれませんか?」

「私?『立花 葵』よ。あなたは?」

「あっ、僕は『田崎 恋ノ介』。それでこの2人が『佐々木 浩志』と『松岡 将』です。」

「あと・・・」少しためらって、

「良かったら年齢も教えてください。」

クスっと笑って、「女性に平気でそんなこと聞いちゃいけないよ。」

「えっ、すいません。」

もしかして嫌われた?!どうしてくれんだよ!!

悲しそうな僕の顔を見て、

「ふふっ♪何歳に見える?」と言ってきた。

「えっと・・・27,8歳くらいですか?」

「はははっ♪実は34歳なのよ。おばさんでしょ。」

「本当ですか!?いえ、全然若く見えます。本当に!!」

「ありがとね。また食べにきてね。」と言われ、僕らは

「絶対また来ます!!」と言って外に出た。


「またここ来ようぜ。」

「うん。絶対にな。」

「KILL TIME・・・略してキルTだな。」

「いいねぇ♪キルティ集合って言ったらここ。」

「OK。じゃぁまた明日学校でな!」









読んでくださってありがとうございます+。:.゜ヽ(*´∀`)ノ゜.:。+

もしよろしければ感動などちょこっと書いてもらえると嬉しいです。

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