第4話 誕生日
始業式から10日経ったが、未だに朝起きれない僕は、今日も学校まで走っていた。
いつも通りぎりぎり間に合った僕に由香が、
「誕生日おめでとう。」と言ってきた。
「えっ!今日って4月の・・・17日?」
朝はいつも急いでいて、つい自分の誕生日ということを忘れていた。
「ははっ♪もしかして自分の誕生日忘れてたの?おじさんみたいだよ〜♪」
と、由香は笑った。覚えててくれたんだ。
そして「プレゼント!」と言って、僕に小さな包みをくれた。
中を見たら、青いハンカチが入っていた。
「いつも遅刻して、汗いっぱい掻いてるんだもん。使ってね。」
そう言って、由香は自分の席に戻った。
嬉しい・・・嬉しいよ!!だけどわかんねぇ!!まだ僕のこと好きなの?いや、でも振られたんだし・・・そうだよな、これは友達としてだよな。
少しブルーになりながら、僕は席に着くと
「おい!何でプレゼントなんかもらってんだよ!?」
と、浩志が言い寄ってきた。
「いや、だって・・・今日誕生日だし。」
ちょっと恥ずかしそうに言った。
「えっ?今日お前誕生日なの?」
「うん。」
そしたら大声で「お〜い!今日、恋ノ介の誕生日だってよ〜!!」
「おい、馬鹿!!」慌てる僕。
「マジかよ!」「おめでと〜〜♪」
一斉に男が群がって、「ハッピーバースディトゥユー〜〜〜〜♪」と、みんなが歌った。
最悪だ。恥ずかしすぎる。女子が笑ってる。
やっぱり浩志には言わないほうがよかった・・・
「よし、17歳になった祝いだ。今日は俺が放課後に、メシでもおごってやる!!」
と、満足げに言ってきた。
「ははは・・・ありがとね。」
苦笑いで返してやった。
放課後になって、僕と浩志と将の三人でメシを食べる所を探していた。
ちなみに将とは、前に言ったチケットをあげたやつだ。
先輩と付き合っていて、いつも2人で学校に登校してくるとこを見る。
クラスでも女子に人気があって・・・
付き合った経験が多い将に、僕はいつも恋愛の相談をしている。
「なぁ、ここ入ってみねぇ?」
浩志が指した先には『KILL TIME』という看板があった。喫茶店のようだ。
「いや、怖すぎっしょ!」と、笑いながら将が言った。
「KILLが殺すって意味だろ。キルユーってよく使うもんな。」と浩志が真面目に言った。
「いや、そんなにキルユーなんて言葉使わないだろ!ってかやめようよ。」
と、僕が言った。この次に言われる事はもう予想がつく。
「ビビってんの?」と、2人がハモった。
やっぱりな。
「ビビってないけど・・・わかったよ。入ろうよ。」と、しぶしぶOKした。
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