第3話 始まり
桜も咲き散ってきたころ、春休みが終わった。
今日から学校が始まる。今まで、夜遊びしすぎて朝がつらい。
面倒くさい。それ以上に由香と会うことが嫌だ。
あれこれ考えていたら、「早く起きないと遅刻よ〜!」と母の声。
時計を見たら8時を過ぎていた。あ〜〜!初日から遅刻しちゃうよ。
急いで制服に着替え、漫画のようにパンを口にはさみ、
「おはよ〜!いってきま〜す。」と騒がしく登校した。
「朝っぱらから忙しいやつだな。」と父。
「あなたはもっと忙しいほど働いてほしいけどね。」と言う母に、父は何も言えなかった。
汗をダラダラ流して教室のドアを開けた。
は〜、ぎりぎりセーフ!
と、思ったらすぐ近くに由香がいた。
「ふふっ♪おはよ。汗すごいよ。」
クスっと笑って、挨拶してきた。
「お、おはよ。」
裾で汗を拭いながら挨拶を返した。
チャイムが鳴ったと同時に、担任の今関先生が入ってきた。
2年になって新しい席の場所に座ると、隣の席の浩志が、ニヤけながら話しかけてきた。
「おいおい、思ったより普通じゃん。もっと修羅場が見れると思ったぜ。シカトされたりさぁ。」と小声で。
「僕もびっくりした!」
でも正直、無視された方が楽だったかも・・・
前のように友達っぽく接する自信がない。ってか、何で由香はそんな普通に話せるんだよ。
「何か怒ってたのが馬鹿らしかった気がしてきた。」
「やっぱりお前の方がガキだったんだよ。」
「うるせぇ〜〜〜〜!!」と、勢いで言ってしまった。
「田崎、うるさい!」と、初日から今関先生に怒られてしまった。
「すいません。」
みんなに笑われてる中で、ひときわ目立つ、「うはは〜♪」と高笑いしている浩志に、一発鉄拳を見舞ってやった。
由香もクスクスと笑っていた。
その後も、いつも話しかけてくる由香。
そして、ぎこちない対応しか出来ない僕がいた。
あと、影で見ている浩志たちの笑い声・・・
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