プロローグ
「誰だ、お前は!」
夜の薄暗い屋敷に男の怒鳴り声が響く。
「ひひひひひ……」
そう嘲笑うもう1人の男の隣には、女の人がばったりと倒れている。
………暗殺者だ………
「てめぇ、俺の妻に、なんてことしやがる………!」
男はギラギラと殺意をまといながら言った。なのに暗殺者といったら恐怖どころか、ニタニタと気味の悪い笑みを浮かべている。
「ひひひひひ………。そんなに女と女が必死に守っていた赤んぼうが大切か?
なら、お前さんの希望に従って、この銀色の髪の赤ん坊も、一緒に逝かせてやってもいいんだが……」
屋敷に住む男は、妻だけでなく、自分の溺愛していた大切な子供の命の危険を感じ、自分の子分の女に命じた。
「おい、モルガナ!お願いだ、俺の子供を10歳になるまで俺の代わりに守ってくれないか!今、暗殺者から俺の子を、リリーを助けられるのはお前しかいない!!」
モルガナ……そう呼ばれた女子分は、自分の主にむかって誓いました。
「はい、必ず守り通します!」
その夜……モルガナと呼ばれた女は、暗殺者と死闘を始める屋敷男を残して、赤ん坊を抱えて逃げ出しました…。
………………異世界に…………………