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進みがカメ以下・・・。コレからも少しずつ頑張ります!
「これ見ても良い?」
ってもうアルバム手に取ってるし!そう心の中で鈴本に突っ込みながら頷いた。
「これ誰?随分親しそうに見えるけど・・」
仕方なくベッドに腰掛けている鈴本に近づき確認する。
「あぁ、大学時代にシェアハウスしていたタイ人の友人とその彼氏に友人達ですね。」
「こっちは?」
「そっちは友達のバイト先にお邪魔した時の写真で、彼女のバイト仲間達です」
「スッゲー親しげだけど?」
「バイト先がイタリアンなだけにみんなイタリア人だったから。
ホラ、ホントに女の子を見たら口説かずにはいられない!って感じで・・・。それに本当にしょっちゅうお邪魔してたので、仲良くして貰ってたンです。」
「ヤローばっかだね」
「そうですね、私が住んでたケンブリッジはロンドンから電車で1時間程のトコにある小さな町なんです。
娯楽って言うと映画で、友達、あっ、ゲイトって名前なんですケド、彼女のバイト先は町に唯一あるショッピングセンターの中にあって、Warner Brosが目の前だったし、Barも併設してたから保安上の問題もあってスタッフは男の人が多かったンです・・・」
「ふーん」
なんでこんな言い訳みたいに言う必要がある?!と思いながらも、何故か言わないといけないような気にかられて説明する。
「元彼とかは?写ってたりする?」
「エッ、無い無い!私の事は小さな女の子ぐらいにしか思ってなかったンじゃ無いかな。面倒見て貰ってた様に思うし・・・」
「誘われたりしなかった?」
「誘うって、鈴本さんの聞き方は何か如何わしい意味に聞こえてイヤ。そう云うのは無いから!
何だかねぇ〜、おかしいよ今日。ホラ戻ろうよ、ね?」
不服そうな顔をして私を見つめていた鈴本だったが、やっと腰を上げてくれたのでホッとして彼に続いて部屋を出た。
「で、どっちが美晴ちゃんの彼なの?」
「ハッ?ち、ちが、ゴホッゴホ」
両親の友人で、小さい頃から私を知るおばさんの発言に驚いて咳込んでしまった。
隣に座っていた鈴本が背中をトントンしながら、お茶を手渡してくれた。
涙目になりながらも、お父さんの前でおばちゃん!と焦って言った。
「本当に違うから!2人共、最近、仲良くして貰ってる先輩なの!」
「エーッ、又そんな事言うて!で、どうなの?」
と鈴本と岩木を伺う様に見たおばさんに、流石の2人も苦笑い。
そして2人の仕事や家族構成を根掘り葉掘り尋ねていく。
「鈴本ってあのSショップなんかを経営してる鈴本?」
「そうですね、ハイ」
「イヤー、財閥やんかー!美晴ちゃん、決めとき!
要らんならウチの娘にまわしたって!」
「おばちゃん・・・」
「ナンボ医者になっても嫁にはいくやろ?!
女はね大学出よりベッピンのほうが良いトコに嫁に行けるの!1回は行かな!!」
「そうやわ、このご時世だから離婚も珍しく無いケド、1回は嫁に行って欲しいわ」
母迄参戦して来て、余りに開けっぴろげな内容の話に恭子も岩木と鈴本と顔を見合わせていた。
「もー!判ったから、ホンマに止めて!」
まだまだ盛り上がりそうな母達を何とか黙らせて事なきを得た。
その後は家に入って、コーヒーを飲んで何とか怒涛の1日を終える事が出来た。
鈴本と岩木それぞれから“楽しかった!おばちゃん最高!”とお礼の電話が来たが、プライバシーも何も無い母親達の話に私は少し申し訳なく思った。
でも父も彼等を気に入ったのか帰りには又遊びに来る様に言っていた。
次の日、日勤を終えて携帯を確認すると、岩木から社協が手伝っている施設のお祭へのお誘い連絡が入っていた。
シフトを確認して空いていたのでOKの連絡を入れて帰宅した。