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悶々として寝つけなかった影響で、イマイチ本調子じゃないまま午前中の業務を終えた。
既に14時をまわっていて、お昼というよりはおやつの時間が近かったが、小腹が空いた気がして売店へ向かう。
サイレントモードにしていたプライベート用の携帯には昨日、彼氏になったばかりの鈴本からの着信の他に、岩木からの着信もあった。
鈴本に電話するのは何だか気恥ずかしい気がして、岩木に電話をかける。
『聞いたぞー!何やねん、自分らばっかり幸せになりやがって!うらやましい!!』
電話に出たと思ったら、イキナリの岩木の言葉。
・・・鈴本くん、早くも言うたんかい!!と思いながらも一応尋ねてみる。
「何で・・?何時、聞いたン?」
『はぁ、何や落ちついてんなぁ。昨日や昨日!紘也から電話で教えて貰ったわ。
まぁ、こうなると思ってたケドな。お似合いやと思うぞ、俺は。
イヤー、おめでとさん!!』
只 付き合う事になっただけなのに・・・。
恥ずかし過ぎる!!
‘おめでとさん’って結婚が決まった訳でも無いのに・・・。
『恭子も初めは驚いてたケド、【まぁ、時間の問題だと思ってた!】って言うとったしなぁ・・・』
「エッ!? 恭子ちゃんに言うたん?誰が?岩木さんが!?」
『今日、偶々、仕事で会うたンや。【これで遊んでくれる人が又減る!】って嘆いとったわ』
「マジですかぁ・・・。私から言うつもりだったのに・・・。
まさか、こんなに早く、みんなに知られるとは思ってなかった・・・」
『まぁ、紘也にしたら牽制のつもりもあるンやろ、きっと。
悪い話じゃないから良いと思うぞ。二人が付き合うのは俺も嬉しいケド、俺の相談にもちゃんとのってくれよ』
一方的に言いたい事を言って、仕事だから!と電話を切った岩木・・・。
でも、どうしよう・・・!!
鈴本と付き合う事を私が直接言うより先に、恭子ちゃんの耳に入るとは想定外だし!!
マズイ!電話しなきゃ・・・。
いつの間にか空腹感は消えていた。
私は恭子に連絡する為に慌てて、休憩室に向かった。
「出ない・・・。忙しいのかぁ。ま、まさか、怒って出ないなんて事は無いよね・・・?
こうなりゃ、ラインで」
何度かに分けて、鈴本との経緯を恭子にラインで告げる。
スタンプも使って、何とか書き終えた。
「どう思ったかなぁ、恭ちゃん・・・」
とつぶやきながら、書類仕事でもやろうと席に着いた。
今日は静だなぁ・・・なんて思い始めた頃、呼び出しがかかった。
私は鈴本からの電話の事をコロッと忘れて、交通事故の患者さんが運ばれて来る救急センターへと駆け出した。
☆☆☆☆☆☆
静かだなぁ~ なんて思ったのが悪かったのか、その後は熱性痙攣をおこした赤ちゃんに、転倒して骨折した年配のご婦人まで、本当に赤ちゃんからお年寄りまでと、次から次へ処置を必要とする患者さんが救急車で運ばれて来た。
「薬の指示は出しておいたので、引き継ぎの際は申し送りをお願いしますね」
長かった勤務を終えて、帰宅する前にナースステーションに寄って、薬や処置の指示に抜けが無いかだけ確認しておく。
「じゃ、お先です!」
歩きながら、携帯を確認すると又鈴本からの着信があった。
ラインでも “連絡をしてくれ” と入っていたので、取り敢えずと電話を掛けた。
話が進まず・・・。
気長にお付き合い頂ければ幸いです。




