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読みづらく、分かりづらいかも・・・。
落ち着いて改稿する予定です。
なんでこんな・・・? もう帰りたいのに・・・。
鈴本と2人で楽しい食事をして、その上、食後のデザートまでごちそうになって、鈴本を彼の自宅駐車場に送って来てから既に30分以上が経っている。
明日もお互いに仕事だし、出来るなら早く帰りたい!と思いつつも、何故か、一向に話を止めない鈴本に困惑しながら、相槌を返したりしながら話を聞いている。
マエ彼との付き合いを詳細に、私達の出会いから別れまでの話を聞かれたのを皮切りに・・・。
『前にも言ったと思うケド・・・』と、切り上げようとしても、次々と質問を浴びせられる。
かと思えば鈴本自身の恋愛感を話し始めたり・・・。
一体、何がしたいのか・・・。
ボーッと余所事を考えているのを悟られない様に、鈴本を観察しつつ彼の話を聞く。
鈴本の話は、経営者らしく落ち着いていて、説得力もある。
話題も豊富で、勉強になることも多く、私はいつも彼の話に引き込まれる。
しかし、今日は・・・。
鈴本は相変わらず話し続けている。全く意味が分からん・・・。
これはどう考えてもワザととしか思えない。
まさに空気を読めない男!って感じである・・・。
「俺はね、そんなに器用じゃないンだ。仕事でなら俺に出来る精一杯をやるし、他の人に負けない自信はある。でも、恋愛となると自分1人で幾ら頑張っても上手くいく訳ではないって実感してる」
「そうだね。ソレは私もよく分かる・・・」
「前カノと別れる半年ぐらい前から、つまらない事での言い合いや喧嘩が増えてた。
2人でいても辛いし、お互いにどうしたいのかもよく分かって無かった。岩木や友達には『彼女はお前には合わ無い!早く別れろ!!』って言われてたよ」
「でも好きだったンでしょ?!」
「どうだったのかな・・・。彼女の希望や理想に合わせるのに疲れて、そんな感情も分からなくなってたよ。それでも意地だったのかな。キツくて、辛くても、別れたくは無かった。
彼女は経営者の俺じゃ無くて、会社に務めていた俺が好きだったンだ。
仕事が変わって、俺の中身も変わったように感じるって言ってたよ・・・」
「そんな、だって・・・。鈴本くんは・・・」
「まぁ、金目当てでは無かっただけマシだろ?!
『仕事が変わって、話が合わないからイヤ!! 俺の仕事や会社、それに家族、親戚までもが付いてくるからイヤ!!』って、ある意味ハッキリと分かり易いし・・・。彼女は俺と2人だけの付き合いと、仕事や家族が絡んでくる結婚が結びつかなかったんだよな。
俺が彼女の思った通りに動かないのが我慢出来なかったンだ。ようやく分かった気がするよ」
「彼女も結婚したかったんじゃ無いの? 仕事は鈴本くんの一部で、鈴本くんが変わった訳じゃ無いし、おかしいよ、そんなの! 」
「確かに彼女も結婚したがってた。でも結婚についてくる諸々の価値観が違いすぎた。
美晴も聞いた事があるだろうケド、ここいらじゃ結婚する時には‘嫁饅頭’ってのを配る。それこそ隣保、親戚全部にだ。それも地域によって饅頭の個数も変える・・・」
鈴本が話してくれた事は未婚の私には知らなかった事で、驚愕の事実だった。
昔に比べると簡素化されて来ているとはいえ、結婚となると顔合わせ、結納から始まって、婚姻の際には嫁側から饅頭と嫁菓子が配られる。
で、桃の節句時期には新郎側が嫁を迎えたって事で又饅頭を配る・・・。
子供が生まれても同じように初節句と言って、男の子なら5月、女の子なら3月に子供の名前と顔写真等の入った印刷物と饅頭を配る・・・。
私は気が遠くなるような気がして、初めて鈴本のマエ彼に同情を覚えた。
都会でバリバリ働く彼女にとっては、信じられない風習であったのだろうと思う・・・。
結納の作法、ドレッサーは本家に!等の嫁入りの荷物を運び入れる際の決まりごと等など・・・。
鈴本の家からは少し離れているとは云え、同郷である私でさえ驚きを隠せない風習だ。彼女は気が遠くなるようであっただろう・・・。
「だから!俺、次は地元の人と付き合えたら・・・って思う。そしたら価値観だってそんなに違わないと思うし・・・」
「はぁ、そうだね。それが良いかもね・・・」
「地元にこだわる訳じゃなくて、まぁ、その、なんだ!
価値観が近い人が良いと思ってる。で、勿論、お互いを尊重していけるような付き合いが出来れば良いと思ってる」
「うん・・・」
「で、俺は、美晴とお互いを思いやって、尊重し合える、そういう関係を築けたら良いなって思ってる・・・」
エッ!! 私と? エエッー?!