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確かに恋愛ものです!そのウチに、きっと・・・。
ドンデン返しとはこの事か・・・と私は呆然となった。
イギリスでの医師免許が通用しないなんて・・・。
帰国直前に取った車の免許さえ、免許取得後半年の乗務期間が無いと認められ無いなんて・・・。
私の頑張りは?!
又 イギリスへ逆戻り?と日英両方の担当省庁等に問い合わせしたり、泣いたり、脅したり、あらゆる事をやった。
半ば諦めかけた時に、「日本の医師の国家試験を合格すれば、大丈夫」の言葉。
まぁ〜た 勉強かい?!と突っ込みたかったが、自分の調べが足りなかったせいだと、泣く泣く諦めての再奮起!
そして、本日やっと、国家試験に合格し、晴れて医師になれたのだ。
長かった、ホント。
もう28歳で脳細胞も死滅し始めてるはず!と自分で突っ込みながらの試験勉強だった。
友人達からのお誘いをノラリクラリと理由を付けてかわし続けたこの期間!
母校の大学とインターン、実習勤務していた病院の後押しで正式に大学病院での就職が決まったが、慣例通りの4月スタート。それまでは研修も兼ねて地元の県立病院での勤務が決まった。
でもあくまで系列病院である大学病院に籍を置く私。外来のローテーションに入る訳にはいかず、出来る仕事など限られている。
事情を知らない看護士達からの視線は限りなく冷たく、中にはあからさまに敵視してくる者もいて、病院へ行くのが憂鬱だった。
それでも目的の “日本語の医学用語を覚える” とそれだけを考えて耐えていたそんな時、高校時代からの友人である斉藤 恭子から電話があった。
「チョット、手伝って欲しい事があって・・」と言う彼女と明日、仕事終わりに会う約束をして、
電話を終えた。
高校時代の同級生で今は役所で保健婦として仕事している恭子。
手伝って欲しいって何だろう・・・と気にはなったが、研修と言う名の雑務に追われる内にそんな思いも消えていた。
そこで自分の運命を変える出会いがあるとも思わずに・・・。